タサン志麻さんのフランス風おせち 第7回(全10回) おせち料理を手作りし、お正月に家族で囲むことは、日本で古来続けられてきた大切な食文化です。一方、現代ではその姿が変わりつつあるのもまた事実。2023年のおせち料理特集は、連載でも人気のタサン志麻さんにご登場いただき、現代の嗜好に合わせた洋風のおせち料理のレシピをご紹介。この中から好みの料理を選んで手作りし、家族で迎える楽しいお正月にお役立てください。
前回の記事はこちら>> 毎年クリスマスを盛大に祝い、お正月はふだん通り過ごすタサン家。今年は初めてきもの姿で食卓を囲んで。「アニメの主人公みたい」とはしゃぐ真之介くん5歳、正太郎くん3歳、ご機嫌な燦(さん)ちゃん1歳をにこやかに見守る志麻さんと、夫のロマンさん。黒の正角盆、朱と黒の丸盆/漆器 山田平安堂 グラス、ガラスの徳利、猪口/スガハラショップ青山 鶏肉と野菜のブレゼのプレート/チェリーテラス・代官山 テーブルクロス/アクセル ジャパン 男の子2人のきもの/浅見一つの鍋で作るパリ風煮物「煮しめ」
鶏肉に小麦粉をはたくと、ソースにとろみがついて濃厚になるので、素材によくからむ。コクがありつつキレもある、くせになるおいしさ。軽く温めてからいただく。(詳しいレシピは次のページでご紹介します>>) プレート/ベルナルドジャパン テーブルクロス/アクセル ジャパンお煮しめにはさまざまな山の幸を一つの鍋で煮ることから、家族円満の願いが込められています。
毎年作る煮しめと同じ材料を使って、フランス風に仕立てるのは難しいのではと思いきや「フランス料理でも鶏肉と野菜を煮ることは珍しいことではありません。鶏肉と野菜のうまみを存分に引き出して、じっくり蒸し煮したり、赤ワインで煮込んだりするのは、むしろ得意とするところです」と志麻さん。
蒸し煮は「ブレゼ」といい、少ない水分で蒸気を回しながら火を入れる調理法。素材それぞれのうまみが溶け合い絶妙なハーモニーを奏でます。赤ワイン煮はたっぷりの煮汁で煮込み、ほのかな酸味と濃厚なコクでふくらみのある贅沢な味わい。
「どちらもベーコン、ハーブで風味づけすることで、れんこん、ごぼうなどの和野菜が洋の味になじんで一体感が出ます」。(
鶏肉と野菜のブレゼの記事はこちら>>)