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タサン志麻さんに教わる冬のフランス郷土料理「カスレ」。サーモンと帆立のタルタルも!

2023.02.14

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タサン志麻
フランス人の2品で晩ごはん【2月】

寒い日にうれしいあつあつのカスレ


寒い日にうれしいあつあつのカスレ

文・タサン志麻


寒い冬が訪れるとカスレが恋しくなります。カスレとはフランス南西部の伝統的な郷土料理で、地域によってさまざまな作り方がありますが、一般的には野菜と豆、コンフィやソーセージなどの肉類をじっくり柔らかく煮込み、仕上げにオーブンで焼いたもの。

表面はカリッ、中はホクホク、とろっとしていて、フーフーと息を吹きかけながら食べると、心も体も温まります。

定番は低温の油脂でじっくり火を入れて作るコンフィを用いますが、このコンフィ作りにガチョウの脂を使用したり、ガチョウの脂で野菜を炒めたりなど脂がポイントとなります。

白いんげんにこの脂が加わることでカスレらしいねっちりとした食感と、コクが生まれ、そのおいしさといったら! ただコンフィもガチョウの脂も日本のスーパーでは手軽に買えないので、今回は脂身の多い豚バラ肉で作ります。

煮ている間に出た脂はできれば取り除かずに、ソースの中に混ぜ込むと、よりカスレらしい濃厚な味が楽しめます。仕上げに使うオリーブ油はバターに替えるとよりコクが増しますのでお好みで。

こってりとしたメインディッシュとの組み合わせは、レモンをキリッときかせて作るさっぱりとしたタルタルです。

ポイントはうまみの強いサーモンと帆立だけに味をしっかりとつけ、きゅうりには味をつけないこと。そうするときゅうりはシャキシャキした食感を保つとともに、口の中をさっぱりとさせてくれてふっとひと息つけるような存在になります。

このように少ない材料で1品作るときは、味や食感にメリハリをつけたり、色味が違うものを組み合わせたり、レモンもジュースと皮の両方を使って味にふくらみを持たせたりなど工夫すると、全体に深みが出て物足りなさを感じさせず、満足のいく晩ごはんになりますよ。

◆志麻さんのキッチンが知りたい!◆
あくは強火で集めて一気にすくう


あくは強火で集めて一気にすくう

煮込み料理につきもののあくですが、すくってもすくっても出てくることはありませんか? 実は志麻さんがあくをすくうのは1度だけ。

上の写真のように沸く瞬間にいちばんたくさん集まるので、そのときを逃さずほんの少し火を弱めて一気にすくいます。

強火のままではあくが煮汁に入り込んでしまうのでご注意を。
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