徳川家康の秘密 第16回(全26回) 東海道で結ばれる出世の道を巡りながら、人間・徳川家康の実像と、意外に知られていない現在の日本人と家康との関係に迫ります。
前回の記事はこちら>> 地元名古屋人に教わる「とっておきの味処」
独自の食文化や、茶の湯文化が発展してきた名古屋には、ここにしかない「名物料理」を味わえる風情ある老舗や、手土産にもぴったりの和菓子屋が揃っています。名古屋を愛する7名の“名古屋人”に美味処を教わりました。
●教えていただいた方徳川義崇(よしたか)さん(尾張徳川家第22代当主・徳川美術館館長)
早川久右衛門さん(カクキュー社長)
クリス・グレンさん(ラジオDJ)
土方邦裕さん(愛知ドビー社長)
長屋良行さん(作家・広告代理店勤務)
有森聡美さん(作詞家)
村上佳菜子さん(プロフィギュアスケーター)名古屋名物
いば昇(名古屋市中区錦)
ご飯、のり、たっぷりの鰻が敷き詰められた「櫃まぶし」。吸い物はプラス200円。徳川義崇(よしたか)さん(尾張徳川家第22代当主・徳川美術館館長)推薦名古屋名物ひつまぶしの締めは、煎茶のお茶漬けで
錦の繁華街にある鰻料理店「いば昇(しょう)」は、明治42年の創業以来、変わらぬ味を守り続けてきた老舗です。
「ひつまぶしの元祖ともいわれる店。最後にだしをかけるところもあるが、いば昇はお茶。やはり茶漬けはお茶をかけて食べるべし」(徳川さん)と、名古屋人からも愛されるのが名物の「櫃(ひつ)まぶし」です。
鰻は九州産で身が締まったものが、いば昇好み。6代目の木村 勧さんが手を休めることなく炭火でじか焼きした鰻は、皮目はパリっと香ばしく、身はしっとりとして食べ応えもある絶妙なあんばい。地元のたまり醬油数種をブレンドした甘さ控えめのたれで仕上げます。
「いば昇は地元のかたと作ってきた店。これまでやってきたことを変えずに続けていきたい」と木村さん。1杯目はそのまま、2杯目は薬味とともに、締めはもちろん煎茶のお茶漬けでどうぞ。
じっくりと焼き上げた鰻。たれには2度漬ける。「鰻本来のうまみを味わえるように、うちではずっと煎茶です」と木村さん。 Information
いば昇
愛知県名古屋市中区錦3-13-22
TEL | 052(951)1166 |
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営業時間 | 11時~14時30分、16時~20時(ともにLO) |
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定休日 | 日曜、第2・第3月曜定休 |
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撮影/大泉省吾
『家庭画報』2023年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。