徳川家康の秘密 第19回(全26回) 東海道で結ばれる出世の道を巡りながら、人間・徳川家康の実像と、意外に知られていない現在の日本人と家康との関係に迫ります。
前回の記事はこちら>> 地元名古屋人に教わる「とっておきの味処」
独自の食文化や、茶の湯文化が発展してきた名古屋には、ここにしかない「名物料理」を味わえる風情ある老舗や、手土産にもぴったりの和菓子屋が揃っています。名古屋を愛する7名の“名古屋人”に美味処を教わりました。
●教えていただいた方徳川義崇(よしたか)さん(尾張徳川家第22代当主・徳川美術館館長)
早川久右衛門さん(カクキュー社長)
クリス・グレンさん(ラジオDJ)
土方邦裕さん(愛知ドビー社長)
長屋良行さん(作家・広告代理店勤務)
有森聡美さん(作詞家)
村上佳菜子さん(プロフィギュアスケーター)万年堂(山門町)
早川久右衛門さん推薦真摯で誠実な和菓子を作り続けて400年
覚王山 日泰寺の門前通りに軒を構える瀟洒な和菓子店。和三盆を使った銘菓「おちょぼ」をはじめ、どれも端正な美しさです。
【「万年堂」の「おちょぼ」】阿波の最上級和三盆を主とし、口に入れるとさっとほどけ、端正な甘みと風味が広がる。「昔から親しんできた銘菓」(早川さん)。ケース入り1080円。箱入りや詰め合わせもあり。「昔から慣れ親しんできた味です」(早川さん)。材料は国産を吟味し、すべての菓子は2階の工房で職人さんが真摯に手作り。店伝統の“ねきあん”をしのばせた麩やきせんべいや、季節の意匠を端的に描いた干菓子からも、伝統ある和菓子文化を次世代に、という想いが強く伝わります。
「『みそ松風』はちょっと厚めに切って、バターを塗ってオーブントースターで焼くとコクが出ておいしいですよ」という素敵なアドバイスも。
合わせ味噌と小麦粉、砂糖などでシンプルに焼いた「みそ松風」は、いわば和風カステラ。 撮影/阿部 浩 取材・文/露木朋子
『家庭画報』2023年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。