新「軽井沢」で楽しむ夏 第8回(全25回) 古くから、文化人、芸術家、財界・学会などの知識人に愛され続けたこの地では、住民の見識・美意識が高く、“本物”しか残らない文化があるといわれます。本物の軽井沢文化を担う住み手の暮らしを追いながら、名門避暑地たる所以を探りました。
前回の記事はこちら>> 進化し続ける軽井沢文化。美食の新潮流&トレンドスポット
ここ2年以内にオープし、すでに軽井沢通や別荘族の間で評判になっている美味処と、森や山などの軽井沢の自然を借景にした話題のスポットをご紹介します。
森の隠れ家のような、瀟洒な一軒。木々のざわめきと鳥の声をBGMに、優雅なアフタヌーンティーをどうぞ。ミーシャン 軽井沢(追分)
藤田貴子さん(日本料理家)「日本料理教室藤田」主宰。2020年から豊かな自然と文化に惹かれて軽井沢に移住。軽井沢で開催する「和サロンふじた」では、料理教室をはじめ、カジュアルな茶事やナガノワインの会、落語会など多彩にゲストをもてなす。fu-ji-ta.com 写真・料理から店内インテリアコーディネートまで、すべて村木美沙さん(右)お一人で担当。「独特の素敵な世界観」と藤田貴子さん(左)緑を愛でながら、シノワズリーなティータイム
追分の深い森の中にひっそりと建つ一軒家に一歩入れば、静謐な時間が流れるオールド上海の空間が広がります。「窓の外に広がる緑に身を浸すように、お客さまにゆったりとした時間を過ごしていただければ嬉しいです」と「ミーシャン 軽井沢」のオーナーシェフ・村木美沙さん。
以前は東京・代官山で点心を中心としたショップを営んでいましたが、2021年に心機一転、軽井沢に移住。1回1組のお客さまをおもてなしする「シノワズリーアフタヌーンティー」が静かな人気を呼んでいます。
近隣にお住まいの日本料理家・藤田貴子さんも村木さんの作る丁寧な味わいの大ファン。「こんなに穏やかな時間が流れる場所は、軽井沢でもなかなかありません」とにっこり。
繊細なカナッペなどの前菜、手仕事の技が光るチャーシューや海老餃子、そしてコースの締めくくりは、季節の色にあふれた愛らしいティースタンドが登場します。「緑の多い環境でお料理できる幸せも日々感じています。軽井沢に暮らすからこそ生まれるメニューです」という村木さんの気持ちもダイレクトに伝わってきます。
左・人気メニューの海老蒸し餃子。今日はノーマル、香菜入り、豆苗入りの3種。右・アフタヌーンティーでは、厳選の花茶や各種中国茶が供される。本日のカナッペはピータンとアボカドの組み合わせ。スペシャリテの杏仁豆腐とオリジナルブレンドコーヒー。 Information
mi-shang 軽井沢
長野県北佐久郡軽井沢町追分1252-25
- 2023年のアフタヌーンティーの営業は、~11月19日の金曜・土曜・日曜(8月は木曜も営業)。一日3部制(①11時30分~、②13時30分~、③15時30分~)で1回1組(2~4名)。1名9850円。3日前までにHP(mishang.com)の予約フォームからチケットを購入。
撮影/大泉省吾 取材・文/露木朋子 ※表示されている料理は状況によってメニューや盛りつけが異なる場合があります。また、店の営業時間、定休日は時期により異なる場合があります。
『家庭画報』2023年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。wsw