東京、北海道、金沢、大阪、福岡ほか 名店の「昼膳」 第12回(全18回) 桜の便りとともに、本誌の人気特集、「昼膳」の最新版が完成しました。編集部が日本全国より厳選した名店の数々をご紹介。ぜひ長くご活用ください。
前回の記事はこちら>> ※以下の記事は、『家庭画報』2020年4月号取材当時の情報です。営業状況は変更となっている場合もありますので、最新情報は公式ホームページ等でお確かめください。 古都・奈良に開業して3年、「奈良 而今(にこん)」鯖ずし、奈良こんにゃく、倭鴨ロース、和束町の菜の花ごまあえなど、春の味覚を十数種盛り込んだ春の八寸。花筏のお膳に雲錦の陶筥と、雅趣に満ちた演出が印象的。【奈良 而今】(奈良市)─日本料理
古都散策の気分を盛り上げる華やかな昼膳
近鉄奈良駅北側の商店街を抜けた一角にあり、趣のある外観で非日常の世界へと誘う日本料理店。華やかな料理でお客さまを魅了します。
すまし仕立ての白魚しんじょの煮物椀。鷺と波文様のお椀に盛りつけて。店主の清水唱二郎さんは、数々の料理店で経験を積み、京都の人気店「祇園にしかわ」でもてなしのひととおりを修得。
大阪・鶴橋まで出向いて仕入れる旬の魚介と奈良産の野菜を料理の根幹に、毎月献立を更新しています。
おくどさんで炊き上げる土鍋ご飯も月替わり。うすい豆と桜海老の素揚げを混ぜ込んだ春のご飯。春の昼のコースは、花筏のお膳に雲錦の陶筥、ぼんぼりの器、朱の盃を合わせた八寸から始まり、雅趣に満ちた色鮮やかな料理に目が釘づけになります。
「奈良の桜と芽吹きをテーマに、花見弁当に見立てました。毎月お越しくださるお客さまがおられるので、コースの構成も器も月ごとに替え、毎日全力投球です」と語る清水さん。
塗りのカウンターをしつらえた風情のある空間。カウンター席のほか、座敷やテーブル個室も備える。八寸の後は造りや煮物椀などが続き、土鍋で炊いたご飯をいただいた後、一服の抹茶で締めくくります。
いずれの季節も心尽くしの料理が楽しめる、奈良散策を盛り上げてくれる一軒です。
店名の「今という瞬間に成すべき事をなす」の意を料理に込め、日々カウンターに立つ清水さん。生まれ育った奈良に33歳で店を立ち上げ、3年を迎える。奈良 而今(なら にこん)住所:奈良市鍋屋町3
TEL:0742(31)4276
営業時間:12時(入店)、18時~20時30分(入店)
定休日:日曜、月曜(祝日不定休)
URL:
http://naranikon.com/昼コース5500円。夜コース1万3000円。写真は昼の献立より。
テーブル個室1室(6名)、座敷1室(4名)
※要予約(昼は3カ月先までの予約が可能)