東京、北海道、金沢、大阪、福岡ほか 名店の「昼膳」 第14回(全18回) 桜の便りとともに、本誌の人気特集、「昼膳」の最新版が完成しました。編集部が日本全国より厳選した名店の数々をご紹介。ぜひ長くご活用ください。
前回の記事はこちら>> ※以下の記事は、『家庭画報』2020年4月号取材当時の情報です。営業状況は変更となっている場合もありますので、最新情報は公式ホームページ等でお確かめください。 【福岡】
気鋭店を訪ねる旅の楽しみ
スタートは、シグネチャー料理である「ブーダンの実」から。器には店の苔庭に見立てたグリーンをあしらい、ブーダンノワール風味の小さなアミューズを添えた。【イノベーティブ・フレンチ ワタハン バイ フルユオンセン オンクリ】(福岡市)─フランス料理
博多の静かな住宅街の一角。重厚な門をくぐると、趣のある日本家屋と庭園が現れます。
ここは、かつての名士の住居の佇まいを生かした、隠れ家風レストラン。
長崎産の甘鯛が主役の「甘鯛の松笠焼き」。佐賀産白ねぎや原木しいたけ、じゃがいものピュレとともに。歴史を刻んだ日本家屋でモダン九州キュイジーヌを
老舗料亭としておなじみでしたが、2019年秋に佐賀県古湯温泉「ONCRI(おんくり)」のアンテナショップとしてリニューアルオープン。非日常が味わえる昼膳処として、早くも博多マダムから多くの支持を集めています。
旧母屋のダイニングは天井を取り払い、あえて梁を出すことで広がりのあるスペースに生まれ変わった。持ち味を残しながらも、開放感あるモダンな空間に改築したダイニング、燕尾服に白手袋という伝統的フランス料理店スタイルのサービスマン、とこの店ならではの魅力は数々ありますが、やはり白眉はイノベーティブな料理。
「ONCRI」で長年腕をふるった吉武大輔シェフが独特の世界観に溢れるコースを作り出します。
メイン料理は「佐賀牛のグリル」。器も吉武シェフが有田に足を運んでセレクト。「たとえば淡泊な甘鯛に濃厚なじゃがいものピュレを合わせたり。食材同士の組み合わせの面白さ、食感の楽しさにも心を配って料理を考えています。毎日、佐賀から朝採れ野菜や玄海灘の新鮮な魚介が届くので、食材を見てからメニューを変えることもあります」と吉武シェフ。
窓の外には美しい苔庭とほころび始めた桜の花。トラディショナルな空間でいただく斬新なひと皿もまた、味わい深いものです。
歴史を重ねた門にモダンな暖簾がかかる。伝統と革新の融合をテーマにした店の想いが端的に感じられる。イノベーティブ・フレンチ ワタハン
by FuruyuOnsen ONCRI住所:福岡市中央区白金1-11-8
TEL:092(406)4975
営業時間:11時30分~14時(LO)、18時~20時30分(LO)
定休日:火曜
URL:
https://watahan-oncri.com/昼は2500円、3500円、6000円。夜は8000円、1万円、1万5000円。写真は昼6000円のコースより。
掘りごたつの和個室1室(8名)、洋個室1室(12名)あり。個室は昼6000円、夜1万円~のコースのみ利用可
※前日までに要予約
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撮影/阿部 浩 構成・取材・文/露木朋子
※価格には別途サービス料や個室料金がかかる場合がございます。
※特集内でご紹介した料理は、食材調達の都合で変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
『家庭画報』2020年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。