「錦玉羹(きんぎょくかん)」とは、寒天と水を煮溶かし、砂糖を加えて作った和菓子のこと。目にも涼やかな、夏の代表菓子です。
型に入れて2色にしたり、餡(あん)を入れたりと、バリエーションが楽しめます。冷凍保存もできます。
砂糖の量を控えると、透明感が出なくなるので注意しましょう。
作り方を教えてくださったのは、清 真知子(きよし・まちこ)さん。茶道裏千家教授の資格を持ち、兵庫県明石市で茶道と和菓子の教室「さろん閑遊」を主宰しています。
(1)錦玉羹の基本の作り方
それでは、錦玉羹の基本の作り方から参りましょう。
写真は、7月の錦玉羹「さざ波」。錦玉液に頭道明寺(かしらどうみょうじ)粉を加え、みぞれ羹に仕立てました。青い海面に、白い道明寺粉の波頭が立ってきらめく様を表現しています。
【材料(12個分)】
(16×13.5cmの流し缶1台分)
・糸寒天 8g
・水 350g
・グラニュー糖 250g
・水あめ 大さじ1
・食紅(青) 適宜
・頭道明寺粉 30g
【準備】
糸寒天を小さく切り、たっぷりの水に一晩つけてもどす。
【作り方】
(1)錦玉液を作る。もどした糸寒天の水気を切り、分量の水とともに鍋に入れ、強火にかける。沸いてきたら弱火にする。
ポイント◆寒天は噴きこぼれやすいので火加減をこまめに調節する。(2)寒天が完全に煮溶けたらグラニュー糖を加えて沸かし、中火で1〜2分煮詰める。
ポイント◆寒天の溶け残りを防ぐため、寒天をしっかり煮溶かしてから砂糖を加える。(3)仕上げにツヤ出しのための水あめを加え、再び煮立たせる。熱いうちに漉しながらボウルに移す。
(4)食紅で青色に染める。
(5)すぐに頭道明寺粉を加えてよく混ぜ、充分にふやけるようにときどきかき混ぜる(約3分)。
(6)かき混ぜながら、水に当てて粗熱をとる。
ポイント◆常温で固まるので、氷水は使わなくていい。(7)頭道明寺粉がすぐに沈まなくなるまで、とろみが出るように冷ます。
(8)水にくぐらせた流し缶に、錦玉液を流し入れる。
(9)1時間ほどで完全に固まったら取り出す。
ポイント◆型の両脇を少し広げて空気を入れると抜きやすい。(10)包丁を濡れ布巾で拭きながら、定規を当てて12等分に切り分ける。冷蔵庫で冷やしてからいただく。
【保存法と日持ち】
常温または冷蔵で1〜2日。ラップを敷いた密閉容器に入れ、冷凍保存も可能。