名シェフの秘密のひと技
ベーシックパスタ、特別レッスン
レジェンドシェフに教えていただくのは、誰もが大好きなパスタ料理のひとつ、「カルボナーラ」。失敗知らずの黄金レシピをマスターすれば、パスタ名人への道が開けます。
失敗知らずのカルボナーラ
――落合 務さん(ラ・ベットラ・ダ・オチアイ)
ペンネの新カルボナーラ落合シェフのカルボナーラは、生クリームを使わず、卵とパルミジャーノ・レッジャーノでパスタとオイルをつなぐ。卵は最後に加え混ぜてゆっくりとあえるため、パスタはアルデンテの持続するショートパスタを使う。パスタは炒めものではなく〝あえもの〞。
ソースを乳化させるのがポイントです
とろりと卵がからむ「カルボナーラ」は古今東西人気の王道パスタ。おなじみの落合 務シェフのレジェンド・レシピからまずおさらいするのは、基本のこの1品です。
何よりの心構えは「パスタ料理でいちばん大切なのは、パスタをどのようにゆで、ソースとどうあえるか。ソースは冷めても温め直せばいいのですが、パスタはゆで上がったら待ってくれない。だからまずソースから作り始めます。湯は沸かしておいて、ソースのベースを作り終えてからパスタをゆでましょう」。
そしてソースとパスタを合わせる際にも、大事なポイントがあります。「ソースは熱しすぎず、火を止めたくらいの温度で充分。イメージとしては、ソースをパスタのゆで汁でのばしながら乳化させて〝ドレッシング〟を作り、その中でパスタをあえる。炒めものではなく、あえものと考えるのがいいでしょう」。
落合 務さん
(おちあい・つとむ)東京イタリアンの先駆者として常に時代をリードするレジェンドシェフ。家庭料理のためのレシピ本も多く、その確かな味わいに不変の人気を誇る。日本イタリア料理協会会長。
ラ・ベットラ・ダ・オチアイ東京都中央区銀座1-21-2
電話 03(3567)5656
※2009年6月号「わが家で『感動パスタ』を」より。