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おうちで作れるフレンチのご馳走! 食卓が華やぐ牛肉のレシピをプロに習いました

2020.07.13

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おもてなしのシンプルフレンチ 【6】牛肉

パリの名門料理学校「ル・コルドン・ブルー」を首席で卒業し、料理プロデューサー・食ジャーナリストとして活躍する狐野扶実子(この・ふみこ)さん。

フレンチのレシピは手間がかかり、プロセスも複雑と思われがちですが、狐野さんのレシピはシンプルでわかりやすく、今晩にもすぐチャレンジしたくなるものばかり。今回は、おもてなし料理の定番食材・牛肉のレシピから、フランスの家庭で親しまれている3品をご披露いただきました。牛肉のうまみを逃さずに食感よく仕上げるための、プロならではの技も教えていただきます。

本場の味をぜひご自宅で楽しんでみてはいかがでしょうか。





ブフ ブルギニヨン




塩をしっかりとなじませた牛肉は、煮込む前にしっかりと表面を焼き固めることが大切。甘い仕上がりにしたい場合は最後にはちみつを加えるといいでしょう。

【材料(3~4人分)】


・牛すね肉など煮込み用 500g
・赤ワイン 1/2本
・にんじん 1/2本
・玉ねぎ 1/2個
・セロリ 1/4本
・サラダ油、バター 各適量
・小麦粉 大さじ1と1/2
・ビーフブイヨンまたは鶏のブイヨン(市販) 2カップ
・にんにく(縦半分に切り芽を除く) 1かけ
・ブーケガルニ 1束 (※なければタイム1~2枝とローリエ1/2枚でもよい)
・ペコロス(皮をむく) 8個
・マッシュルーム(汚れ、石づきを除く) 1/2パック
・レモン汁 少々
・ベーコン(拍子木切り) 40g
・塩、黒こしょう(粒)、グラニュー糖 各適量
・パセリ(みじん切り) 適量

【作り方】


(1)鍋に赤ワインを沸騰させ、1/2程度の分量まで煮つめる。牛肉は室温にもどし、5cm程度の角切りにし、塩をふってもみ込んでなじませる。にんじんは5mm厚さの半月切り、玉ねぎはざく切り、セロリは1cm幅に切る。

(2)ココット鍋にサラダ油とバター各大さじ1/2を熱し、(1)の牛肉を入れる。強火で表面に焼き色をつける。肉を取り出し、にんじん、玉ねぎ、セロリを入れ、火力を少し落とす。塩ひとつまみを加え、焦がさないように注意しながら約5分炒める。

(3)(2)で取り出した肉を戻し入れ、黒こしょうをひく。小麦粉をふり入れ、木べらで返しながら約5分炒め、小麦粉にしっかりと熱を入れる。(1)で煮つめたワインと、ブイヨンの約半量を加え、鍋の底を木べらでこそぐ。牛肉がかぶる程度まで残りのブイヨンを注ぎ、にんにくを入れる。沸騰したらあくを取り、弱火にする。ブーケガルニを加え、ふたをして2時間~2時間30分、牛肉が柔らかくなるまで煮込む。

(4)ペコロスは小鍋に入れてひたひたまで水を注ぐ。塩、グラニュー糖各ひとつまみ、バター小さじ1/2を加え、柔らかくなるまで火を通す。水分がなくなり、表面がキャラメリゼした状態になったら火からおろす。

(5)マッシュルームは小さければそのまま、大きければ縦2~4等分に切ってレモン汁をふりかけておく。小さめのフライパンにサラダ油またはバター小さじ1/2を熱し、マッシュルームとベーコンを炒める。

(6)(3)の鍋から柔らかくなった肉を取り出し、煮汁をこす(好みでグラニュー糖などで甘さを加えてもよい)。牛肉、煮汁ともに鍋に戻し、(4)のペコロス、(5)のマッシュルーム、ベーコンを加える。弱火で約5分煮て黒こしょうをひき、パセリをふる。




牛フィレのポワレ ロックフォールチーズ




ロックフォールチーズのソースは鶏肉、豚肉にもよく合います。生クリームは最初に入れて煮つめるのではなく、最後に泡立ててソースに加え、軽やかに仕上げます。

【材料(2人分)】


・牛フィレ肉ステーキ用(約100g) 2枚
・ロックフォールチーズ 60g
・生クリーム(乳脂肪分35~36%) 100mL
・ボルト酒(白) 大さじ1
・サラダ油または溶かしバター 適量
・アンディーブ(葉をはがす) 1個
・塩、黒こしょう(粒)、EVオリーブオイル 各適量

【作り方】


(1)鍋に70mlの生クリームを入れ、ロックフォールチーズを加えてフォークの先などで砕く。弱火にかけて混ぜながらチーズを溶かす。弱火のまま5~6分煮つめる。ボルト酒を加える。

(2)牛肉は室温にもどし、表面に薄くサラダ油または溶かしバターを塗り、軽く塩をふる。フライパンを熱して牛肉を置く。強めの中火で焼き色をつけながら好みの加減に焼く。フライパンから取り出し、温かいところに置いて牛肉を休ませる(目安として焼いたのと同じくらいの時間)。

(3)牛肉を休ませている間に、小さめのボウルに残りの生クリーム30mlを入れてしっかりと泡立て、温めた(1)に加えて軽く混ぜる。

(4)温めた皿に(2)の牛肉を盛りつけ、(3)を添えて黒こしょうをひく。アンディーブにEVオリーブオイルを軽く塗り、添える。




ビーフ ストロガノフ




ロシアにルーツを持つ料理ですが、生クリームを加えることでフランス料理として定着しました。付け合わせにはご飯、パスタのほか、ゆでたじゃがいもなどの野菜でも。

【材料(2人分)】


・牛フィレ肉(またはもも肉) 約240g
・トマト 1/2個
・バター 大さじ2と1/3
・玉ねぎ(みじん切り) 1/4個
・パプリカ 小さじ1~1と1/2
・白ワイン 大さじ3
・フォン ド ヴォー(市販) 1/3カップ
・生クリーム(乳脂肪分45%) 大さじ5
・ディジョンマスタード 小さじ2
・マッシュルーム(薄切り) 5~6個
・パスタ(タリアテッレなど) 適量
・塩、こしょう、小麦粉 各適量
・コニャック、パセリ(みじん切り) 各適宜

【作り方】


(1)牛肉は約1.5cm幅の拍子木切りにし、室温にもどす。トマトは湯むきして粗く刻む。

(2)鍋にバター大さじ1を熱し、玉ねぎを中火で5~6分炒める。玉ねぎが茶色く色づいたらパプリカを加えて混ぜる。火を弱め、白ワインを入れてよく混ぜる。(1)のトマトとフォン ド ヴォ―、塩ひとつまみを加え、軽く濃度がつくまで煮る。生クリームとディジョンマスタードを加えてこす。

(3)フライパンにバター小さじ2を熱し、マッシュルームを強火で炒めて取り出す。(1)の牛肉に塩、こしょうをふり、軽く小麦粉をまぶす。マッシュルームを取り出した後のフライパンにバター小さじ2を入れて熱し、強めの中火で牛肉の表面を焼き、牛肉を取り出す。

(4)フライパンの底に残った油を捨てて再度火にかけ、好みでコニャック大さじ1~2を加える。木べらでフライパンの底をこそぎ、(2)に加える。

(5)(4)を鍋に入れて火にかけ、(3)で取り出したマッシュルームと牛肉を加えて全体を温める。パスタをゆでて付け合わせ、好みでパセリをふる。




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狐野扶実子/Fumiko Kono



東京都生まれ。1997年にパリの名門料理学校「ル・コルドン・ブルー」を首席で卒業。ミシュランの3つ星レストラン「アルページュ」に入り、シェフのアラン・パッサール氏に師事し、スーシェフを務める。その後、出張料理人として独立、世界中を飛び回り、VIPたちをうならせた。2005年、パリの老舗「フォション」で初の女性・東洋人のエグゼクティブシェフに就任する。現在は東京とパリを行き来しながら、レストランや国際線機内食のメニュー開発に携わるなど、料理プロデューサー・食ジャーナリストとして活躍する。著書に『ラ・キュイジーヌ・ド・フミコ』、『まいにち、サラダ』(ともに世界文化社)などがある。
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パリのおもてなし料理が75品!

今回ご紹介したレシピを含め、「フランス流のおもてなし」をテーマに75のレシピを掲載。どの料理も、一つひとつのプロセスはシンプルなので、自宅で作れるレシピばかりです。


おもてなしのシンプルフレンチ


狐野扶実子(著)

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