家庭画報のレジェンド・レシピ スパイス香る真夏の「名人カレー」 第14回(全15回) 創刊号から最新号まで、『家庭画報』に掲載された膨大な数の料理レシピの中から、今、改めてお伝えしたいものを編集部が厳選してお届けする「レジェンド・レシピ」。今回は暑い夏に食べたい料理の筆頭格、カレーの名作レシピをお届けします。スパイスづかいやちょっとしたひと手間に、作り手のセンスが光るアイディアが満載。異国情緒たっぷりの「名人カレー」に挑戦して、夏を元気に乗り切りましょう。
前回の記事はこちら シェフが提案するお洒落な逸品
おもてなしのフレンチカレー
市販のカレールーを使わず、フランス料理の食材や手法を使って作るフレンチスタイルのカレーは、カジュアルに楽しむ集いのシーンにぴったりです。ワイン片手に味わいたい、スパイスで香り高く仕上げるお洒落なカレーのレシピをご紹介します。
菊地美升さん(ル・ブルギニオン オーナーシェフ)のアイディア
ワインが似合う、洗練のアレンジカレー
スパイシーポークカレー
使う食材の多くは家庭料理でおなじみのもの。ところが、素材の合わせ方やスパイスとハーブづかいなどのセンス溢れるひと工夫をすることで、お洒落なフレンチスタイルになるカレーレシピを菊地美升さんに教わりました。おいしいもの好きのゲストも舌鼓を打つ、人気シェフが提案するご馳走カレー。ぜひ夏のおもてなしメニューに加えてみてください。
菊地美升さん
(きくち・よしなる)1966年北海道生まれ。都内のフランス料理店で修業後、91年に渡欧。フランス各地のレストランで約3年、イタリアで8か月腕を磨き、ワインへの造詣も深める。帰国後、2000年に「ル・ブルギニオン」をオープン。
ル・ブルギニオン東京都港区西麻布3-3-1
電話 03(5772)6244
※2003年7月号「ご馳走カレーでおもてなし」より。
スパイシーポークカレー
【材料・8人分】・豚バラ肉(薄切り) 1kg
・玉ねぎ 2個
・にんじん 1本
・にんにく 3かけ
・りんご 1個
・バナナ 1本
・しょうが(みじん切り) 大さじ1と1/2
・混合スパイス(後述写真参照) 大さじ2
・カレールー[バター100g、オリーブオイル1/2カップ、カレー粉100g、小麦粉100g]
・プレーンヨーグルト(無糖) 大さじ1
・トマトケチャップ 大さじ1
・バター 大さじ1
・オリーブオイル 適量
・塩 適量
・水 2L
混合スパイスは、タイム、コリアンダー、ベイリーフ、クミン、パプリカパウダー、ジュニパーベリー、クローブ、八角、カルダモン、フェンネル、コーヒー、ココアパウダー、黒こしょう、白こしょうをミキサーで粉砕し、混ぜ合わせて作る。【作り方】(1)玉ねぎ、にんじん、にんにくはみじん切りにする。
(2)りんごは皮をむいて芯を除き、バナナは皮をむき、すべて小さく切って鍋にオリーブオイル適量を熱してペースト状になるまでよく炒める。
(3)別鍋にオリーブオイル適量を熱して(1)のにんにくとしょうがのみじん切りを炒め、香りが出たら玉ねぎ、にんじんを加えて炒める。玉ねぎの色が変わったら(2)を入れ、塩少々、混合スパイス、水を順に加え、フツフツと煮立つ程度の火加減で1時間煮込む。
(4)フライパンにオリーブオイル適量を熱して豚バラ肉を炒め、軽く塩をふって下味をつける。これを(3)に加え、さらに1時間煮込む。
(5)カレールーを作る。鍋にバターとオリーブオイルを入れて火にかけ、バターが溶けたらカレー粉と小麦粉を加え、粉っぽさがなくなるまでしっかり炒める。
(6)(4)に(5)のルーを少しずつ溶きのばしながら加え、塩少々で調味し、さらに1時間煮込む。プレーンヨーグルト、トマトケチャップ、バターを加えてよく混ぜ、味をみてたりないようなら塩でととのえる。
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撮影/今清水隆宏 イラスト/金子ともこ 文/鈴木博美
※レシピは、掲載時の材料と作り方を基本としています。
※ご紹介した料理はあくまで家庭で作るために考案したものであり、料理店ではオーダーできません。
※各レストランの営業については、お店に直接お問い合わせください。
『家庭画報』2020年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。