宮澤奈々 素敵なおもてなしのプレゼンテーション 第2回(全3回) 東西に長い日本列島に住んでいる私たちは、四季折々、さまざまなフルーツを身近なものとして楽しめます。おなじみのフルーツも、切り方ひとつで目にも楽しく華やかなひと皿に。食卓にパッと花が咲くようなフルーツカッティングのテクニックを宮澤奈々さんに教えていただきます。
前回の記事はこちら>> フルーツの“ブローチ”をまとったウェルカムカクテル
宮澤奈々(みやざわ・なな)料理研究家。家庭でも再現しやすい、アイディア満載のスタイリッシュなおもてなし料理が大人気。料理と器のスタイリングやテーブルコーディネートの提案、器の監修も手がける。このたび本誌での2年間の連載をまとめた『
素敵なおもてなしのプレゼンテーション』を上梓。
旬のフルーツは、その風味を生かしてお洒落なカクテルで味わうのもまた一興です。「フルーツの色、形そのものが宝石のように美しいので、カッティングの工夫でブローチに見立てました」と宮澤さん。ピックに刺したり、切り込みを入れてグラスに添えたフルーツのブローチが、テーブルをさらに華やかに彩ります。
(※カクテルの分量は1人分です)
カッティングのやり方を動画でもチェック!>>グレープバルーンモクテル (A)
ぶどう200グラム、グラニュー糖大さじ2、レモン汁15ml、水50mlを鍋に入れ、弱火で15分煮て、こしたシロップをトニックウォーター少々で割ったノンアルコールカクテル。
レモンとぶどうのブローチ
【1】レモンをスライスする。1枚目は半分まで切り、2枚目で切り落とす。
【2】(1)のスライスを平らに置き、2枚重ねになっていない半月の部分の中央に、縦に切り目を入れる。(1)で作った切り目を開き、その両側に添えるよう、(2)で作った切り目を開いて折る。
【3】ぶどうの「紙ふうせん」(
前回記事参照)を(2)で挟み、ピックを刺す。ごく小さく四角に切ったレモンの皮をピックの先端につけるとグラスの上で安定する。
梨とライチのカクテル (B)
冷凍した梨180グラム、水80ml、砂糖30グラム、ディタ15ml、レモン汁5mlをミキサーでなめらかにしたフローズンカクテル。
柿のブローチ
【1】柿を皮ごとくし形に切り、皮の縁から2ミリほど内側に切り目を入れる。へた近くまでを残し、下から皮をむく。
【2】(1)で入れた切り目の内側の部分を持ち上げ、内側に折り込む。切り目の外側の部分は、軽く外に反らす。
ソレイユオランジェ (C)
グラスにオレンジの絞り汁90mlを入れ、グレナデンシロップ5mlを静かに注ぎ入れる。美しいグラデーションが印象的。
柑橘のブローチ
【1】ライム(もしくはレモン)の皮にレモンピーラーで縦に筋目を入れ、スライスする。端を残して皮をむく。
【2】(1)でむいた皮を固結びにする。
アップルスカイ (D)
グラスにりんごジュース70mlを注ぐ。静かにブルーキュラソー5mlを注ぎ入れる。ブルーと白のツートーンカクテル。
りんごのブローチ
りんごは1/8の櫛形に切り、芯の部分を切り落として箸の間に置き、縦、横からナイフを入れて切り離す。残った果肉でこの作業を2回くり返し、切り離した果肉をずらしながら重ねる。
フィグスムージー (E)
皮をむいたいちじく70グラムと牛乳50ml、ヨーグルトといちごジャム各30グラム、レモン汁15mlをミキサーでなめらかにする。
いちじくのブローチ
いちじくのへた近くの場所に、側面からV字を描きながらぐるりとナイフを入れる。一周したら上下を離す。
〔特集〕宮澤奈々 素敵なおもてなしのプレゼンテーション(全3回)
撮影/角田 進 レシピ原稿/柴田 泉
『家庭画報』2020年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。