秋の美味といえば、きのこ。日本では通年で手に入る食材ですが、野山に自生する天然ものが手に入る機会があればぜひ味わってみてください。野生ならではの香り高さは格別です。
栽培ものでも、風味やうまみを損なわないように注意すれば、十分素敵な1品に仕上がります。コツは、十分に熱したバターやオイルで炒めること。きのこのジューシーさを閉じ込め、香りや食感がぐっとよくなります。
レシピを教えてくださったのは、料理プロデューサー・食ジャーナリストの狐野扶実子(この・ふみこ)さんです。
パリを拠点に活躍される狐野さんいわく、「秋になると、パリのマルシェにもさまざまな野生のきのこが出回ります。天然ものは掃除するのがひと苦労ですが、その香り高さには、手間を惜しんでも料理する価値があります。パリの街でも、買い物かごの一番上にきのこの入った茶色い紙袋をそっと置いて、大切に持ち帰るパリジャンをよく目にします」。
お洒落でおいしい、なのにシンプル! 狐野扶実子さんのレシピ一覧はこちら>>きのこのフリカッセ
きのこは塩をふると水分が出やすいので、味つけは調理の後の方ですること。サワークリームはその酸味で料理にコントラストをつけるため、いただく直前にかけます。
【材料(2人分)】
・ブラウンマッシュルーム 1パック
・まいたけ・白まいたけ 各1パック
・しめじ(ぶなしめじ) 1/2パック
・バター 大さじ3
・エシャロット(みじん切り) 大さじ1と1/2
・にんにく・あさつき(各みじん切り) 各適量
・塩 小さじ2/3
・レモン汁 小さじ2/3
・サワークリーム 大さじ2
・黒こしょう(粒) 少々
【作り方】
(1)きのこは土や石づきを取り除き、マッシュルームは縦に2~4等分に切る。ほかのきのこは手で食べやすい大きさに裂く。サワークリームは室温に置いて柔らかくしておく。
(2)フライパンを強火にかけバター大さじ2を溶かす。バターが焦げ始める程度に熱くなったところに(1)のきのこを入れる。2~3分炒めたらバター大さじ1を加え、エシャロットとにんにくを入れてよく混ぜながら、さらに1~2分炒める。塩とレモン汁をふりかける。
バターを火にかけると、水分の泡が出た後に焦げ始める。そこにきのこを入れる。(3)きのこが熱いうちに器に盛り、よく混ぜてなめらかにしたサワークリームをかける。あさつきをふり、黒こしょうをひく。