【特集】家庭画報読者のために 名シェフが考えた美味の「お取り寄せ」を極める “新しい生活様式”とともに、美食の「お取り寄せ」が目覚ましく進化し、盛り上がりを見せています。百花繚乱の中『家庭画報』がお届けするのはゆかりの名料理人や名店による本誌特別のお取り寄せの数々。家庭画報だからこそ出合える逸品を、一年の締めくくりにご家庭でお楽しみください。
一覧はこちら>> 茶道裏千家の懐石料理をあずかる出張専門の「辻留京都店」。45年間、店を任される料理人平 晴彦さんが、複雑な準備や手順を要さず、簡単に本格的な茶懐石を楽しめるお取り寄せを特別に作ってくださいました。
客席を持たず、茶席でしかいただくことのできない名店の味を、ぜひご自宅で堪能してください。
平 晴彦さん(たいら・はるひこ)1965年に「辻留銀座店」へ入店し、2代目・辻 嘉一の薫陶を受ける。1975年、出張料理専門の「辻留京都店」を任され現在に至る。著書に、『季節の茶懐石』(小社刊)がある。
東山の三条通りにある「辻留京都店」。暖簾の上には、裏千家14代家元・淡々斎からいただいた「山海鮮」の書がかけられている。〔献立〕・向附
鯛昆布〆 寿海苔 菊花 山葵 加減酢
・汁
粟麩 銀杏 合せ味噌 溶きからし
・煮物
海老真蒸 芽菊菜 しめじ 清し汁 へぎ柚子
・焼物
鰆 幽庵焼
・預鉢
湯葉旨煮 海老飛龍頭 刻み柚子
美しく盛りつけていただく、温めるだけの簡単“本格茶懐石”
「“旬の食材を丁寧に調理する”という食文化に親しんできた日本人だからこそ、季節の美味を取り合わせる“日本料理のよさ”をご家庭で再認識していただきたい」。
そう語る平 晴彦さんの思いから作られた、今回のお取り寄せ茶懐石。真心のこもった一品一品は、滋味深く、心をも満たしてくれます。
懐石はすべてでき上がった状態で冷凍され届きます。鯛昆布〆はへぎ造りにされ、おろしわさびなどのあしらいや加減酢も付属。焼物の鰆もすでに焼かれています。
解凍し温め、あしらいをともに盛りつければ完成する、実に簡単なお客さま思いの作りは、「手間ひまをかけずに料理を楽しんでいただきたい」という平さんの心尽くしの形。
懐石に限らず料理は、“おいしく作る”ことと同じくらい“美しく作る”ことも大切です。最後に、“取りやすさ”を意識しながら教わった盛りつけのポイントを踏まえれば、茶事の本式のものではなく、ご自宅にある器でも、美しい懐石に仕立てられます。
茶懐石の要となる煮物椀は、海老しんじょ。海老の身がしっかりと入ったしんじょは、素材の甘さが際立ち、食感も豊か。時間をかけて丁寧にとられただしは、ご家庭では出せない深い味わい。
●盛りつけのポイント●
煮物は常温またはぬるま湯で解凍した後、柚子のみ取り除き、すべての具材を鍋で加熱。煮立ったら、しんじょを椀の中心に盛る。しんじょの頭がのぞくほどに汁をはり、芽菊菜、しめじ、柚子を添える。(汁も同手順)
しっかりと身の引き締まった昆布じめ鯛のへぎ造りの向附。汁は、寒い頃にふさわしく上質な白味噌でこっくりと仕立てた味噌汁に粟麩と銀杏を添え、溶きからしを落とす。懐石料理らしく柔らかく炊いたご飯といただく。
●盛りつけのポイント●
鯛は箸で取りやすいように、両端を丸く折り、一切れずつ山のように盛りつける。どのような形の器でも、器の中央に“つんもり”と盛るのがコツ。加減酢は鯛の白さを綺麗に見せるために、お造りではなく器に注ぐ。
柔らかく炊き上げた湯葉と海老飛龍頭に刻み柚子を添えた預鉢。焼物は、冷蔵庫または常温にて解凍し、耐熱皿に盛りつけ電子レンジで加熱する。ほくほくと焼きたてのような柔らかさ。(写真は3人前)
●盛りつけのポイント●
預鉢は、冷蔵庫または常温で解凍した後、袋のまま熱湯で5分間ほど温め、器へ移す。“つんもり”とした寄せ盛りを意識し、海老飛龍頭に湯葉旨煮を寄せかけるように、立体的に取り分けやすいように盛りつける。
【家庭画報限定お取り寄せ】 辻留京都店「家庭画報限定 特別懐石」(2人前)
【商品内容】
料理5種と仕上げ用の調味料等
【配送と賞味期限】
冷凍にて配送。到着日から7日間
【価格】
1万6200円(税込み、送料別)
【申し込み期間ならびに注文方法】
2020年11月20日、27日、12月4日、11日、18日に配送。
注文は各日3日前までに以下の電話、FAXにて受け付け
辻留京都店電話:075(771)1718
FAX:075(761)7619
営業時間:9時~18時
不定休
※「辻留」の「辻」の字は、正式な表記は、しんにょうの点が1つです。 撮影/蛭子 真
税込み表記のない価格はすべて消費税別の本体価格です。
商品や食材の内容は天候不順等の事情で変更になる場合があります。
数に限りのあるものや一部エリアに配送できない商品もございます。あらかじめご了承ください。
価格は予告なく変更になる場合があります。
『家庭画報』2020年12月号掲載。この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。