雪国では、雪の中から顔をのぞかせて春の訪れを告げる、ふきのとう。山菜の中でもアクが強く、ほろ苦さが魅力のふきのとうを味わうなら、やっぱり天ぷら!という人も多いでしょう。本日は、銀座の名店「てんぷら近藤」主人、料理界きってのイノベーターでもある近藤文夫さんの本格レシピを公開します。
そのまま揚げるとアクがこもり、黒ずんで苦みも強くなるので、ガクを開いてつぼみをむき出しにする下ごしらえをします。苦みが半分に減り、見た目もきれいです。残雪がうっすらかぶっているイメージで薄ごろもをつけ、1分以内で手早く揚げましょう。ご家庭のフライパンで、使う揚げ油は高さ3cm分。これでOKです。「てんぷら近藤」では2種類のごま油をブレンドして使っているとのこと。生搾りの「太白ごま油」と、炒って香ばしい香りをつけた「焙煎ごま油」を3:1で合わせています。ただ、太白ごま油は少々高価ですよね。日常の食事ならサラダ油と焙煎ごま油を、同じように3:1で合わせるのがおすすめです。
基本のころもの作り方と、天つゆの作り方も併せてお届けします。『「てんぷら近藤」主人の やさしく教える天ぷらの基本』より。
「直径26~28cmのフライパンなら、およそサラダ油1.2kgと焙煎ごま油400g。これで深さ3cm前後になるはずです。この3cm は、天ぷらを揚げるのにベストな深さです。油が少ないと、フライパンの底に素材がくっついたり、油の上に出ている部分が増えたりして、きれいに揚がりません。逆に油が多すぎても、たねを入れた後に下がった温度が元に戻るまでに時間がかかり、適温で揚げられないというむずかしさがあります。“フライパンに3cm 深さの油”と覚えておきましょう」(近藤さん)。
【材料】
・ふきのとう 適量
・
ころも(やや薄めに) 適量
・揚げ油 適量
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天つゆ、または塩 適量