【日本料理】
教える人
林 亮平(はやし・りょうへい)さん/てのしま香川県丸亀市生まれ。大学卒業後、「菊乃井」に入社し、主人・村田吉弘氏に師事。17年の修業の後、独立。2018年3月に「
てのしま」をオープン。郷土料理から日本食を見つめ直し、確かな技術とセンスで、その魅力を国内外へ発信している。
そうめん、うどん、ひやむぎ──日本の麺に、瀬戸内海の食材を合わせて
郷土料理に注目し、日本料理のおいしさと伝統を現代に再提案する、林 亮平さん。
「そうめん、うどん、ひやむぎ、そば......日本にはさまざまな麺文化がありますが、地域ごとに、だしや具材に特徴があります」。
林さん自身は、香川県出身。「故郷では、いりこのだしがスタンダードです。かつお節や昆布と違い、雑味と甘さがありますが、酸味を加えると、上品においしく仕上がります」。
そう話しながら作ってくれたのが、見た目も爽やかな「レモンいりこうどん」です。
レモンをはじめ、瀬戸内海は食材の宝庫。例えば、地元でよく食べられるという小海老・がら海老は、殻が柔らかく、身の味も際立ちます。
「その殻でとるだしは優しい香りと甘味があるので、そうめんより太く、小麦の風味が強いひやむぎにからめると、バランスがよく飽きのこないおいしさです」。
特別な日の食卓におすすめなのが、愛媛県の郷土料理「鯛そうめん」をアレンジした逸品。鯛のあらでだしをとり、かけだしとジュレ状のだしを用意します。
「2種類のだしで味の濃淡をつけました。具材の鯛は松皮造りにし、新鮮な鯛のうまみを生かします」。
盛りつけるときは、ジュレやしいたけのうま煮など、色が濃いものを下に敷きます。