「夏のご馳走冷たい麺」第5回(全7回)暑い夏にいただきい、絶品の冷製麺のレシピを、気鋭のシェフ直伝のテクニックとともに、ご紹介します。手軽に作れるものから、パーティの主役になる豪華なひと皿まで、夏の食卓を彩る、見た目も涼やかなご馳走を、どうぞ召し上がれ。今回は魚介のうまみを利かせた汁麺とあえ麺をご紹介。
前回の記事はこちら>> 【中国料理】
魚介のうまみを利かせた汁麺とあえ麺
教える人
西岡英俊(にしおか・ひでとし)さん/レンゲ中国料理の名店「シェフス」で培った上海料理をベースに、その柔軟な感性から生まれるモダンな料理の数々は、黒トリュフの炒飯など中国料理の枠を超えた多彩なアプローチが魅力です。フランス料理のビスクをアレンジ、海のエキス豊かなスープでいただく「車海老のビスク風麺」から、かつおをベースに旬の鮎の風味をだしにプラスし、すだちの爽やかな香りが清涼感を誘う「鮎のすだち麺」......。
中国料理の枠を飛び越えた冷やし麺の数々に意表をつかれてしまいます。それも、おいしいものなら何でも吸収しようとする西岡さんの創造力の豊かさゆえでしょう。
なかでもユニークなのが「冷や汁風つけ麺」。乳酸発酵したぬか漬けきゅうり独特の酸味が、同じ発酵食品の味噌と好相性です。
大葉やみょうが、ほぐしたあじの干物など多彩な薬味とともにするするといただけば、あっさりしつつも滋養は満点。夏の疲れも吹き飛ぶでしょう。
冷やし麺には、めんつゆか中華の麺だれという固定観念を捨て、目線をちょっと変えてみるだけで新しい味のヒントが生まれそうです。