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レイチェル・クーさんがスウェーデンで知った“喜び”とは?北欧の四季が育む食文化を知る

2019.11.11

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『レイチェル・クーのスウェーデンのキッチン』発刊を記念して、世界中でおなじみの料理研究人、レイチェル・クーさんが来日しました。ご主人の故郷であるスウェーデンで、子育てをしながら暮らす日々から、レイチェルさんが見つけた北欧料理の楽しさとは――?書籍に込めた想いを、たっぷりと伺いました。

四季が巡る喜びに、その土地ならではの知恵。レイチェルがスウェーデンで出合った「食」の幸せ


レイチェル・クー

※インタビューの中にある料理名の後に書かれている数字は、その料理のレシピが『レイチェル・クーのスウェーデンのキッチン』に掲載されているページを指します。

――スウェーデンで暮らし始めて、特に印象深かったことは何ですか?


スウェーデンの皆さんが、どの季節も大切にエンジョイしていることが何よりも印象的だったの。春夏秋冬、どの季節もいとおしむ。それぞれの季節の素敵なところを愉しむその姿が感動的だったので、今回の書籍も四季に分けて構成したんです。

新じゃがが運ぶ春の訪れ


遅い春の訪れは4月。南部から新じゃがが届くと、やっと春が来た!ってみんな大喜びします。じゃがいも、リーキ(ポロねぎ)、春キャベツ……。華やかさにかけるかもしれないけれど(笑)、春の訪れを告げてくれる野菜たちを「もっと華やかに愛でてあげたい。春キャベツだって、その気になったらステーキに負けない一皿になるわ」と思って、作ったのが「春キャベツのヴィネグレット添え」(p.30)。

春キャベツのヴィネグレット添え

『レイチェル・クーのスウェーデンのキッチン』より、「春キャベツのヴィネグレット添え」。春の訪れを告げるおなじみの野菜をグリルして、シンプルなヴィネグレットソースとゆで卵を添えて。いくらでも食べられそうなみずみずしい味わい。

ざっくり切った春キャベツにバターを塗って、直火で焼くか上火のオーブンに入れるだけ。まるで上手に焼けたステーキみたいに外はカリッ、中はフレッシュなキャベツができ上がります。「私のキャベツはミディアムレアでお願いね(笑)」って感じかしら。

1年でもっとも盛り上がる「夏」


次は、夏。これはもうクリスマスよりも盛り上がる最高の季節。ミッドサマーパーティ(夏至祭)で初めていちごをサラダ仕立てでいただいたときは、本当に驚いたものです。それまで、いちごはデザートだと思っていたから。

だったら、と閃いたのが「ポーチドチキンといちごの酢漬けのサラダ」(p.120)。同じ時期に出回るアスパラガスと組み合わせてみたの。今回の本では、ポーチドチキンを入れて、それだけでメインになるレシピを紹介したけれど、もちろんチキン抜きでサイドディッシュにしてもOK。チキンの代わりにモッツァレラを入れるのもおすすめよ。

秋は森の恵みを楽しむ


でもね、8月のある朝起きると、突然空気の色が変わっていて、秋が始まるんです。秋は、森を楽しむ時期。きのこ狩りやベリーを摘みに森に入ります。「秋のブッダボウル」(p.168)は、この季節をひとつのお皿の中で表現したい、と思って出来上がったレシピ。たっぷりの野生のきのこにりんご、にんじんにピンク玉ねぎのピクルス……。ヘルスコンシャスなアメリカ西海岸生まれのブッダボウルに負けないよう、一皿でいろいろバランスが取れるように考えました。
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