令和の 新・お正月料理 最終回(全4回) みんな一緒に、平等に、毎年1つ歳(お年玉)をいただく日本のお正月。社会は変わっても「かけがえのないもの」を失わないように、今できることを料理研究家・土井善晴さんとともに考えました。今年の提案は、「具だくさんのお雑煮」と、祝いの三つ肴。余裕があれば、小さめのお重に盛り込む「おせち」。そして皆で取り分ける「雑煮鍋」。それぞれの生き生きとした1年の始まりを祝いましょう。
前回の記事はこちら>> 朱内黒塗三段重(浄法寺漆産業)、染付雲鶴文皿(須田菁華 作)幸せを取り分ける
——豊かさを盛り込む三段重
酢の物、焼き物、お煮しめなど、毎年作るおせち料理は、40種類余りに及びます。
「お重から取り分けて食べるのは、家族で幸せを分かち合うこと。みんなの手が伸びるように盛りつけます」。
赤いお重を前に土井さんは、しばし黙考。
お正月らしい口取りを一の重に。二の重にはご馳走を。きずしやぶり、鯛など大阪ならではの魚料理も盛ります。
三の重のお煮しめは、盛り込むのがなかなか難しいのですが、なるべく同方向を心がけます。
「盛りつけは楽しい。味や食感の変化、色のバランスなどを五感で感じ取って、立体的な絵を描いていきます。大事なことは、豊かさが満ち溢れるように盛ることなのです」
雲鶴文の取り皿が、めでたさを添えてくれます。いただく前には銘々の箸袋に名前を書いて。
取り箸には通常「海山」と書きますが、土井さんは「海里山」と、したためるのです。
【一の重】
・タルト卵
・紅白かまぼこ
・くるみのざらめがけ
・紅白梅
・田作り
・黒豆
・たたきごぼう
・数の子
・栗きんとん
・伊達巻き
・車海老のつや煮
・ゆり根の含め煮
一の重のレシピは3ページ目をご覧ください。
レシピはこちら>>※黒豆、たたきごぼう、数の子のレシピはこちらの記事をご覧ください。
レシピはこちら>>二の重では、鶏肉と鯛の間にはゆずり葉などを入れます。魚の焼き物は、下になますを敷くといたみにくいうえきれいに盛ることができます。【二の重】
・ぶりのつけ焼き
・梅にんじん
・まながつおの西京焼き
・黄金くわい
・鶏肉の照り焼き
・牛肉の八幡巻き
・穴子のうずら巻き
・菊花かぶら
・いかイクラ和え
・鯛の昆布締め
・締めさごし
二の重のレシピは4ページ目をご覧ください。
レシピはこちら>>【三の重】
<煮しめ>
・餅ぎんなん
・高野豆腐
・金時にんじん
・れんこん
・しいたけ
・くわい
・きぬさや
・手綱こんにゃく
・昆布巻き
・里いも
・ごぼう
三の重のレシピは5ページ目をご覧ください。
レシピはこちら>>