家庭画報のレジェンド・レシピ 「感動パスタ」をわが家で 第6回(全24回) 創刊号から最新号まで、『家庭画報』に掲載された膨大な数の料理レシピの中から、今、改めてお伝えしたいものを編集部が厳選してお届けする「レジェンド・レシピ」。今回は本誌ゆかりのイタリア料理のシェフたちが、ご家庭での「パスタ」をワンランクアップする技やアイディアを伝授。いつもとはひと味もふた味も違う、"感動の味"をお試しください。
前回の記事はこちら 名シェフの秘密のひと技
ベーシックパスタ、特別レッスン
誰もが大好きなパスタ料理。レジェンドシェフに教えていただくのは、さまざまなパスタに活用できる「トマトソース」。失敗知らずの黄金レシピをマスターすれば、パスタ名人への道が開けます。
ホールトマトで作るシチリア風トマトソース弱火でことこと20分、味をなじませるように煮込む。むやみにかき混ぜず、静かに煮込むことも大事なポイント。煮つめるだけの“極旨”トマトソース
石川 勉さん
(トラットリア シチリアーナ・ドンチッチョ)
店内に入るとそこはもう南イタリア。いつも陽気な「トラットリア シチリアーナ・ドンチッチョ」の石川 勉シェフに教えていただくのは、もちろんご自慢のトマトソース系パスタです。「ベースとなるシチリア風トマトソースは、缶詰のホールトマトから作ります。料理には何でもフレッシュな野菜がいいというイメージがあるかもしれませんが、トマトソースは必ずしもそうじゃない。生トマトが時季によって質の差が大きいことを考えれば、缶詰のホールトマトはいつも同じ味。確実においしいソースができて安心です」。
シチリア風のトマトソース。
味を決めるのは「砂糖」です
完熟トマトの味をぎゅっと濃縮させてこそのトマトソースなので、使う野菜はにんにく、ほんの少しの玉ねぎとバジルだけ。4人分なら20分ほど静かに煮込めばでき上がりです。「それ以上煮たら、煮つまった味になるだけです。そしてシチリアで教えてもらった技は、砂糖。煮るときにひとつまみの砂糖を加えるとソースの味が引き締まり、深みが出てきますよ」。
石川 勉さん
(いしかわ・つとむ)1980年代にシチリアを中心にイタリア各地で修業。帰国後、シチリア料理に特化した店を開き、伝道師としてその魅力を幅広く伝え続けている。
『
トラットリア ドンチッチョの極旨シチリア料理』(小社刊)も好評発売中。
トラットリア シチリアーナ・ドンチッチョ東京都渋谷区渋谷2-3-6 SGSSSビル1階
電話 03(3498)1828
※2009年6月号「わが家で『感動パスタ』を」より。