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記事一覧はこちら>> 鮒寿しは冬から春に獲れたニゴロブナを塩漬けにし、土用の頃ご飯に漬けて乳酸菌発酵させた滋賀伝統の保存食です。
琵琶湖の手長海老や鮒寿しの甘露漬けなどの前菜。かぶらとニゴイの炊き合わせ。1784年創業の鮒寿しの老舗「魚治」では発酵に2年をかけ、冬に低温熟成させることで旨みとコクを生み出します。
この鮒寿し懐石を供するのが、魚治が営む料亭旅館「湖里庵」です。
2階客間。湖里庵の名づけ親の遠藤周作がフィヨルドのようだと好んだ景色をフィンユールのソファから眺める。宿泊は1日1組限定。2018年の台風による全壊を乗り越え2021年4月に再開。伝統と今様の間を目指したダイニングには新たにカウンター席も設けました。
湖を望むダイニング。「京都吉兆」で修業後、家業を継いだ左嵜さん。「鮒寿しを作るのが琵琶湖の自然。その景色を見ながら食べてもらえれば」と話すのは7代目・左嵜謙祐(さざき・けんすけ)さん。
コースでは鮒寿しパスタなど新味も楽しめます。
チーズのような風味の鮒寿しパスタ。「伝統ある鮒寿しを過去のものにせず、時代に合った楽しみ方を提案することで、琵琶湖の食文化を伝えていきたい」と左嵜さん。
足を運んだ人だけが味わえる琵琶湖の美味が待っています。
Information
湖里庵
滋賀県高島市マキノ町海津2307
- 食事1万4300円、宿泊1泊2食付き1名4万9500円(ともにサービス料別)
表示価格はすべて税込みです。
『家庭画報』2021年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。