都心から足を延ばして「絶景レストラン」へ
目の前に広がるのは、刻々と変化するドラマチックな大自然。その素晴らしい景色はもちろんのこと、料理・サービスと相まってお客さまを魅了するのが、ここにご紹介する「絶景レストラン」です。
料理人やスタッフが足で探した地元が誇る食材を生産者への敬意とともに土地の魅力として発信する。洗練かつ情熱の一皿を求めて「小さな美食旅」に出発です。
【雄大な富士山を借景に(メゾンケイ)】富士山の雄姿を借景とした店内は建築家の内藤 廣氏が設計。パンは近郊の長泉町の人気店「ブーランジェリー・アダチ」製。メゾンケイ Maison KEI(静岡・御殿場)
「庭園風季節のサラダ」。レモンの泡など4種のソース、オリーブのクランブルと約40種の野菜、くぬぎ鱒のスモークを混ぜて。地元静岡の恵みをアートな一皿に込めて
御殿場市の東に位置する東山は、富士山を望む別荘地。その一角に昨年誕生した「メゾンケイ」は、フランスでアジア人初のミシュラン3つ星を獲得した小林 圭シェフと「とらや」が共同で開いたレストラン。10年以上親交のある小林さんと「とらや」18代社長・黒川光晴さんが手を携えた背景には、地域の活性化というテーマがあります。
大きな窓が富士山と緑のパノラマを切り取る店内で楽しめるのは、静岡産の食材を生かした美しいフレンチ。
約40種類の野菜の香りや食感が生きた「庭園風季節のサラダ」は、自然栽培の野菜やくぬぎ鱒など、地元の食材でパリのシグネチャーを再現した名物です。厨房を預かる佐藤充宜シェフいわく、「富士山の伏流水で育った野菜はすっきりした味になる」とか。
焼津の「サスエ前田魚店」から届く金目鯛をうろこ焼きにして、旬の野菜のソースを添えた魚料理は、柔らかな味わいが日本的な繊細さを感じさせる一品。
春キャベツとサフランのソースを添えた「金目鯛のうろこ焼き」。皮とうろこを香ばしく、身をしっとりと焼き上げた金目鯛に季節のトマトのロースト、ツナ、アンチョビーを付け合わせて。パリで好評のデザートを「とらや」の餡を使ってアレンジしたデザート「ヴァシュラン」には、「ここでしか体験できない餡の食べ方を提案したい」という思いが込められています。
焼いたメレンゲを崩し、餡やアイスクリームと混ぜて楽しむデザート「ヴァシュラン」。甘み、酸味、食感、温度などの感覚を刺激する要素を考慮し、季節ごとのアレンジで供される。フランスと日本の感性が響き合うコースを、絶景とともに満喫できる一軒です。
下のフォトギャラリーで詳しくご紹介します。 Information
Maison KEI メゾンケイ
静岡県御殿場市東山527-1
- 昼のコース4500円・8500円、夜のコース5500円・9000円 要予約。予約は10時~11時30分、15時~17時30分に電話を 個室1室あり 写真/後藤武浩
※料理内容や食材、産地、営業時間、定休日等は変更になる場合があります。予めご確認のうえ、お出かけください。掲載の料金は税込み価格です。別途サービス料がかかる場合があります。 撮影/大泉省吾 取材・文/小松めぐみ
『家庭画報』2022年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。