初夏の「行楽昼膳」 第17回(全18回) 首都圏や関西各地から日帰り遠足気分で訪ねられる距離にありながら、別世界を味わえる、個性豊かなレストランにご案内します。
前回の記事はこちら>> プラント PLANT(東京・蓮根)
手前から時計回りに、庭でとれた山菜のフリットを添えた「ケールのリゾット」、「ロマネスコのロースト レーズン、くるみ、フェタチーズとブラウンバターソース」、「帆立と菜の花の昆布締め 金柑のソース」、「自家養蜂によるはちみつのアイスとブルーチーズのムース」。農園の「今」を味わう住宅地のオアシス
今、畑で旬を迎えた野菜がプロの料理人の手にかかると、どんな料理が生まれるのだろう――。2021年、板橋区蓮根の閑静な住宅地にオープンした「プラント」は、フリーランスの料理人が交代で厨房に立ち、その時々の野菜が放つ力を存分に引き出した料理で魅了する、農園主体のレストラン。
主宰するのは地元・蓮根や埼玉県朝霞市などで無農薬・無化学肥料での農業を営む「ハスネファーム」。
農園長の冨永 悠さん。生ごみを有機肥料に変え、野菜作りに活用する取り組みにも挑戦中。野菜の販売、レストランの営業にとどまらず、「農」を軸にした新しいライフスタイルの提案や、都市型農業の可能性を模索する活動にも取り組んでいます。
「担当する一週間の途中で旬の最高潮を迎えるものもあれば、終わるものもある。毎日同じでないことが、畑とともに料理をする面白さです」と話すのは、この日、料理を担当した白石貴之シェフ。自ら畑に出て野菜を収穫し、メニューのアイディアを膨らませます。
キッチンに立つ白石シェフ。フランスやイタリアで研修後、原宿「レストランイートリップ」の立ち上げに携わり、現在はフリーで活躍。ほか、青柳陽子シェフら複数の料理人が週替わりで担当する。オープンキッチンで料理するシェフを目の前にするダイニングで、いい匂いに包まれながら、洗練された一皿を待つ。
シェフの家に招かれたようなアットホームな雰囲気も魅力です。
個人の住居をリノベーションした店内は、壁紙や天井板が取り払われ、枯れ木のオブジェを飾るなど、アート空間のよう。 Information
プラント
東京都板橋区蓮根1-14-22
- 昼3300円(平日)・1万1000円(土曜・日曜・祝日)、夜1万1000円 担当する料理人や催しの情報はインスタグラム(@hasune.plant)で発信。予約は原則ウェブサイト
料理内容や食材、産地、営業時間、定休日等は変更になる場合があります。予めご確認のうえ、お出かけください。掲載の料金は税込み価格です。別途サービス料がかかる場合があります。 撮影/本誌・坂本正行
『家庭画報』2022年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。