軽井沢の秘密 第8回(全25回) 恵まれた自然の中で、趣味や「森の生活」を愉しもうとする優雅なライフスタイル、食道楽をうならせる美味、軽井沢人だけが知るスポットなど、知られざる軽井沢の秘密に迫ります。
前回の記事はこちら>> 「薪焼 かけはし」
カウンター奥の窯は右が熾火用、左が薪火用。もちろん薪はりんごの木。「時間が経つにつれ勢いや表情が変わる火の状態に合わせて料理のコースを考えるのが醍醐味です」と丸山さん。りんごの倒木から生まれた自由自在な薪焼料理
「山菜やきのこを探しに長野県の穂保地区に滞在していた2019年、台風19号で周辺のりんご農家が大きな被害にあって。生産者さんたちが丁寧に育ててきたりんごの木が倒れたままなのを見て、どうにか生かせないかと思ったのが“薪焼料理”のスタートでした。子どもの頃、自分で取った魚介を焚き火で焼いたおいしさも心に残っていたんですね」。
お客さまを迎え、丸山大祐さんが火を熾こすところから「かけはし」の料理は始まります。
おまかせのコースは和食がベース。煙で燻したり直火に入れたり、熾火で焼いたりと“薪火”と“熾火”を自在に使いこなし、一皿一皿が鮮やかに仕上がっていきます。
中締めの「鰻ご飯」の後は肉のひと皿に。長野県の食材や薪についての巧みなトークを交え、火と食材を操るさまはライブを見ているよう。
「木に火をつけ食材を焼くのは料理の原点。薪火が昨今人気の秘密は人間の本能に訴えるからかもしれません」。
下のフォトギャラリーで詳しくご紹介します。 Information
薪焼 かけはし
長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢3-2
- 昼1万2000円~、夜1万8000円~ 前日までに要予約
撮影/大泉省吾 取材・文/露木朋子
『家庭画報』2022年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。