驚きと感動の“美味逸品” 第13回(全29回) 料理は、言葉より雄弁にその国のことを物語ります。駐日大使公邸のおもてなしを拝見し、世界各国の料理をレストランで楽しみ、珍しいスパイスやハーブに出合える食材店を巡る――私たちの周りにたくさんある“日本の中の外国”へご案内します。
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北出食堂(東京・岩本町)
多彩な具材を盛ったタコスは、手前から、「シメサバ」、「パクチーシュリンプ」、「ポークカニータス」各550円。右奥は「トルティーヤスープ」1045円。メキシコ人も絶賛、タコスの新境地
5年半にわたりニューヨークのレストランで修業した店主でシェフの北出茂雄さんが、当時暮らしていたブルックリンでそのおいしさに衝撃を受けたタコスを日本に広めたいと、カジュアルにメキシコ料理を味わえる「北出食堂」を開店したのは9年前。
日本在住のメキシコ人も絶賛するタコスがたちまち評判を呼び、今ではほかに都内3軒の専門店をオープンする人気店です。
スタッフの皆さん。左からシェフの植松誠二さん、店長でパティシエの岸田蘭子さん、スーシェフの渡辺 慶さん。看板メニューはもちろん、焼きたての自家製トルティーヤで具材を包み込んで食べるタコス。辛みを利かせてエキゾチックな風味に仕上げたものから日本の食材の持ち味を生かしたものまで、自由な発想を感じさせるバラエティに富んだ約10種類から選べます。
おいしさの決め手となっているトルティーヤの原料には、北海道産とうもろこしを使用。何年もかけて生産者を探し、ようやく納得できる国産とうもろこしのトルティーヤを店で提供するという念願を叶えて、タコスの新境地を開きました。
さらに、安心して食べてほしいという想いから“Non‒MSG、Non‒GMO(化学調味料不使用、非遺伝子組み換え)”を掲げ、契約農家の有機野菜やグラスフェッドのお肉など、使う食材にも配慮。心身に元気を与えてくれる料理が楽しめます。
手前は「北海道産牛イチボの炭火焼」1800円〜、奥は「発酵大豆“テンペ”と有機野菜のサラダ」1100円。下のフォトギャラリーで詳しくご紹介します。 Information
北出食堂
東京都千代田区岩本町1-13-5 8ビル1階
TEL | 03(6240)9920 |
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営業時間 | 11時30分~14時30分(14時LO)、17時30分~22時(21時LO、土曜・日曜・祝日は17時~) |
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定休日 | 月曜定休(祝日の場合は営業、翌火曜休業) |
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- 平日ランチメニュー1100円~、土曜・日曜・祝日のブランチメニュー1320円~、夜はアラカルト主体で1品715~1980円
撮影/本誌・坂本正行 取材・文/鈴木博美
『家庭画報』2022年12月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。