驚きと感動の“美味逸品” 第15回(全29回) 料理は、言葉より雄弁にその国のことを物語ります。駐日大使公邸のおもてなしを拝見し、世界各国の料理をレストランで楽しみ、珍しいスパイスやハーブに出合える食材店を巡る――私たちの周りにたくさんある“日本の中の外国”へご案内します。
前回の記事はこちら>> ベルギー
シャン・ドゥ・ソレイユ(東京・内神田)
大量のピルスナービールで6時間煮込んだ後、トラピストビール「シメイ・ブルー」で仕上げた「牛ほほ肉のベルギービール煮込み」3000円(手前)と、「シコンのハム巻きクリームグラタン」2000円。ベルギーの四季の味を80種を超えるビールとともに
北海道より高緯度に位置し、冬の寒さが厳しいベルギー。「冬の夜のカフェで食べた、あつあつのシコン(ベルギーチコリ)のおいしさが、今も記憶に残っています」と話す原田延彰さんは、縁あってベルギーの郷土料理店や三つ星レストランで修業して帰国。
オーナーシェフの原田延彰さん。2階のレストランにて。1階は気楽に利用できるブラッスリー、3階には個室がある。1994年に「シャン・ドゥ・ソレイユ」をオープンし、以来ベルギーの食文化の魅力を日本に伝え続けています。
春にはホワイトアスパラガス、初秋からはムール貝、冬にはシコンやジビエなど、日本と同じく四季を通じて旬の食材に恵まれたベルギー。店のメニューには郷土料理が数多く並びます。なかでも代表的な料理として思い浮かべる人が多いのがムール貝。岩手県山田町から届く大粒のムール貝は、玉ねぎ、セロリ、パセリとともに白ワイン蒸しにするのが定番ですが、ここでは10種以上のメニューから選ぶことができます。
「夏ならフレッシュトマトとハーブ、冬ならこっくりとしたサフランクリームと合わせるのがおすすめです」。個性的なビールを調理に使った煮込みなどの一品料理も人気です。
下のフォトギャラリーで詳しくご紹介します。 Information
シャン・ドゥ・ソレイユ
東京都千代田区内神田1-10-6
- 要予約 ランチ1450円~、夜コース4800円~、アラカルト多数
撮影/本誌・坂本正行 取材・文/鈴木博美
『家庭画報』2022年12月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。