私の最高レストラン66 第5回(全19回) 美味なる思い出は、人生の彩りとなります。創刊66周年を記念し、小誌ゆかりの著名人の「人生の思い出に残る」美食処66軒を紹介します。
前回の記事はこちら>> 人生の節目に美味が欲しい。私の最高レストラン&このひと皿
家庭画報ゆかりの著名人、著者のかたがたに「特別な思い出がある」あるいは「特別な日に訪ねたい」最高のレストランを挙げていただき、同時に愛する「このひと皿」を教えていただきました。
「赤坂 菊乃井」
伊勢えびの海苔鍋
お軸も器も目のご馳走ですね、と柳原尚之さんと真理さん。「うまみきらめく至福のだしを楽しみに」(柳原尚之さん・真理さん)
伊勢えび、帆立貝、あわびを具にした贅沢な鍋。仕上げに入れる新物のあおさ海苔がふくよかに香り立つ。家族の人生の節目を祝う特別な日に
柳原尚之さん(近茶流宗家)・真理さんご夫妻推薦
「お料理、しつらい、サービスのすべてが完璧で、どなたをお招きしても気持ちよく過ごせるお店はそうあるものではありません。『菊乃井』の赤坂店さんはわが家の産土神社でもある氷川神社に近いので、家族の節目のお祝いのたびにお邪魔しています」と柳原尚之さん。
「かねてより“日本料理のスペシャリテは季節です”とおっしゃるご主人の村田吉弘さんの言葉が深く胸に染み入るお料理。そしていつも感動するのは、だしの素晴らしさです。利尻昆布のうまみがきちんと感じられる味わいは、京都ならではのもの。東京でこのお味をいただける幸せも嚙み締めています。春にいただく海苔鍋も海産物の頂のうまみとだしが溶け合った、まさにご馳走ですね」。
お子さまのお食い初めの折に供されたお膳に、さりげなく添えられていた柳柄の杯も「嬉しく心に残っています」と奧さまの真理さんもにっこり。これからも家族のお祝いの数だけ、季節の料理を中心にした美しい場面が記憶の中に積み重ねられていくことでしょう。
長男の修太朗くんのお食い初めでも供されたお膳。たこの足の煮物、なますなどが並ぶ。「歯がための石を置くのは京都らしい風習です」(尚之さん)。 Information
赤坂 菊乃井
東京都港区赤坂6-13-8
TEL | 03(3568)6055 |
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営業時間 | 12時~12時30分(入店)、17時~19時30分(入店) |
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定休日 | 日曜、第1・第3月曜定休 |
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- 昼懐石1万4300円、夜懐石1万9800円~ 要予約 個室4室
撮影/鈴木一彦 取材・文/露木朋子
『家庭画報』2023年3月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。