私の最高レストラン66 第16回(全19回) 美味なる思い出は、人生の彩りとなります。創刊66周年を記念し、家庭画報ゆかりの著名人の「人生の思い出に残る」美食処66軒を紹介します。
前回の記事はこちら>> 2023年、グルマンはここを目指す。旅の目的地(デスティネーション)にしたいレストラン
日本各地の豊かな自然に魅せられたシェフがその土地の恵みから作り出す料理は、まさにそこでしか出合えない特別な味。ここからは、新しく誕生した3軒のデスティネーションレストラン(
「オーベルジュ オーフ」、「ソウア」、3月13日配信予定「ときと」)をご紹介します。
もちろんすべて宿泊も可能。美味なる旅へ出かけましょう。
SOWER(ソウア)
滋賀・長浜
地元産ブルーベリーのソースで味わう美浜産鹿のローストと菊いも。奥は6時間低温調理し、バーベキューで仕上げた鹿のスペアリブ。3品種をブレンドしたロワールの赤ワイン「アンセストラル」と合わせて。ワインのほかに滋賀県の日本酒やビールも揃う。琵琶湖の風土に魅了されたシェフが作る革新的キュイジーヌ
2022年4月にオープンして以来、独自の“湖北キュイジーヌ”で注目を集めるレストラン。この地に惚れ込んだロサンゼルス出身のコールマン・グリフィンさんを中心に、さまざまな国籍やキャリアの持ち主が移り住んでチームとなり、地元と交流しながら発酵の聖地・琵琶湖に新しい風を吹き込んでいます。
アメリカの3つ星レストラン、東京にあった「INUA」を経て料理長に着任したコールマン・グリフィンさん。キッチンのライブ感とともに供される14品ほどのコースは、湖魚や若狭湾の鮮魚、近郊でとれるジビエがメイン。
「この土地で手に入るもので作り、料理にジャンルはなく、素材選びも表現もすべて自由」と語り、作り手や食材と向き合いながら、自分たちで発酵、熟成させている調味料や野菜で新たな味わいを発掘しています。
好奇心をくすぐる革新的なジビエ料理、新鮮な視点でとらえた野菜料理やデザートなど、五感を刺激する食体験が連続。
左・鴨生ハム、ベルガモット、麴バターソースと食すしいたけのひと皿。右・黒糖アイスに温かいサバイヨンソースをかけたかぼちゃのデザート。店名(英語で“種をまく人”のこと)のとおり、料理やドリンク、空間のいずれもが湖国への関心を生む種となり、独特の世界観を根づかせながら、ここにしかない美食を創出しています。
下のフォトギャラリーで詳しくご紹介します。 Information
SOWER
滋賀県長浜市西浅井町大浦2064
- コース1万6500円〜(サービス料込み) 要予約 個室1室 ロテル・デュ・ラク 住所・電話番号は同上 1室2名利用で1泊2食付き1名 3万4100円〜(サービス料込み)
撮影/本誌・西山 航 取材・文/西村晶子
『家庭画報』2023年3月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。