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桜に包まれる料亭「山荘 京大和」。八坂の塔を眺めながら、コース仕立ての二段弁当を

2023.03.23

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特別席&料亭でいただく、テイクアウトで楽しむ 花見弁当で春を味わう 第3回(全12回) 水温む陽気とともに心も浮き立つ春、今年はお花見弁当を目当てに出かけてみてはいかがでしょうか? 京都の特別席で、料理店でいただく洗練の味と、春の集いに持ち寄りたいテイクアウトの美味をご紹介します。前回の記事はこちら>>

京都で花見弁当の宴を


街のいたるところが桜色に染まる京都の春。家庭画報企画による期間限定の特別席と、雅なお弁当が味わえる名料亭へ、ご案内します。

山荘 京大和
桜越しの八坂の塔を眺めながら、コース仕立ての二段弁当を


山荘 京大和


東山の高台にあり、庭や部屋からは桜と八坂の塔を一望。桜は3月末に開花し、4月前半が見頃。

3月下旬から枝垂れ桜、染井吉野が咲き、周囲の喧騒から離れ、桜に包まれて食事が楽しめる料亭「山荘 京大和」。創業は昭和24年ですが、建物の歴史はさらに古く、江戸幕末の志士たちの活躍の舞台ともなった「翠紅館」や茶室などからなり、西に面した部屋からは八坂の塔や京都市街が一望できます。

山荘 京大和

ていねいに調理した料理を器と盛りつけで引き立てるお弁当。右は、銀鱈西京焼き、鰻八幡巻、鯛寿司桜餅見立て、菜の花からし和え、鯛の子など。手前左の器の中はじゃがいもを牛乳と葛で寄せ固めた嶺岡豆腐、右奥は独活とにんじんのきんぴら。左は、筍土佐煮、車海老黄身煮、粟麩艶煮など。

お昼に人気の月替わりのお弁当は、先付、お椀、お造りなどがつくコースに近い形で、節句や歳時をテーマに献立を組み、器も毎月替わる、趣向を凝らした内容です。「建物や庭、贅沢なしつらいを備えた料亭ですので、料理は奇をてらうことなく、ていねいな仕事の積み重ねでこの店らしい雅な味を表現したい」と話す厚地正仁総料理長。

山荘 京大和

手前から、先付のうに入り湯葉豆腐、蛤飛龍頭と神馬草のお椀、鯛といかのお造り。

4月は、桜鯛や蛤、筍や山菜などの春の食材の持ち味を生かしながら心を込めて調理し、さらに枝垂れ桜のお椀や雲錦鉢で春を演出。お弁当の器は先代の頃から使っている「錦重ね」と呼ばれるもので、20種類ほどの口取りや焼き物、炊き合わせが食べよく、品よく盛り込まれます。これにあさりご飯がつき、食後のデザートをいただく頃には心も体も満たされます。

山荘 京大和

瓢簞形の朱塗りの器に盛ったあさりご飯と漬物。ご飯も毎月替わり、食後にはデザートもつく。

風雅な花見の宴を満喫した後は、近隣の桜巡りへ。楽しみは尽きません。

山荘 京大和

二方に縁側を設けた「紅葉の間」。中庭の「透月の池」に張り出すように建ち、紅枝垂れ桜を観ることができる。

Information

山荘 京大和

京都市東山区高台寺桝屋町359

TEL 075(525)1555
営業時間 11時30分〜13時、17時〜19時(ともに入店)
定休日 水曜
  • お弁当は昼のみで1万3200円 2日前までに要予約 翠紅館、紅葉の間のお座敷は室料別 ※料理内容は食材等の都合により変更になる場合があります
表示価格はすべて税込みです。 撮影/鍋島徳恭 取材・文/西村晶子
『家庭画報』2023年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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