「おいしい福岡」最新案内 第5回(全9回) わざわざ訪ねたい味がある。福岡は今、上質なものを求める外国人観光客が急増し、世界中から注目を集めています。また、“本物を伝えたい”と帰福した料理人が活躍したり、女性が気軽に楽しみやすい名物料理のお店も進化中。最新の美味をご案内します。 前回の記事は
こちらから。
選べる締めの一品。唐津の紫うにを使った「うにの卵とじ丼」。一本木 石橋(平尾)―石橋康孝さん
「美食のポテンシャルが高い福岡で、“本物”を届けたい」
実家である博多のすし店「玉庄」の後を継ぐという目標を胸に、錚々たる名店で研鑽を積んだ石橋康孝さん。
「『高台寺 和久傳』で修業できたことは幸運でした。すべての基本、正確な仕事とは何かを教わりました。また、『海味(うみ)』では初めて江戸前のすしの仕事に触れ、仕込みの大切さを学びました」。
コースの途中にはおすしも登場(お昼は1万円のコースから)。本日は玄界灘の車海老、有明海のこはだ、4日間ねかせたさわら。各店で得た知恵や技、料理人としての心得を財産に、自店を開いたのは昨年9月。以来、予約が取りにくい人気店として注目を集めています。
「福岡はひと言でいうなら“強い街”。この街の食文化はこれからもっと発展すると思います。自分は日本料理の世界で本物を伝えるという一翼を担えたら」と石橋さん。
魚は地元産を中心に京都や豊洲から、野菜はほぼ京都から仕入れている。カウンターのほか、2階には個室もある。6席だけのカウンターは石橋さんとの距離が近く、すべての仕事が目の前で施されます。その日の椀物の具材に合わせてまぐろ節やかつお節などをブレンドして削り、その場でだしが引かれるなど、見て、香って、味わってと、楽しい時間が過ぎていきます。
「白魚と春野菜の天ぷら」。からすみをまとわせて。「福岡のかたに京都のお味を楽しんでいただけたら」と石橋さん。石橋康孝(いしばし・やすたか)さん京都「高台寺 和久傳」で5年、東京「海味」で5年、伊勢志摩サミットの料理監修も担った伊勢「懐石かみむら」で2年半修業した後、帰郷。実家のすし店を3年手伝った後、昨年9月自店をオープン。
Information
一本木 石橋
福岡市中央区平尾1-9-13
TEL | 092(534)7560 |
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営業時間 | 12時〜15時(13時30分LO)、18時〜22時(20時LO) |
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定休日 | 日曜、ほか不定休あり |
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- 要予約。昼のコースは6000円〜、夜は1万5000円〜(ともに税込み)。
撮影/本誌・坂本正行 取材・文/中野智恵〈Fe〉 取材協力/九州観光推進機構
※ご紹介した料理の献立は、仕入れの都合で食材や内容が変更になる場合があります。また、別途サービス料等がかかる場合があります。
「家庭画報」2019年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。