東京、北海道、金沢、大阪、福岡ほか 名店の「昼膳」 第7回(全18回) 桜の便りとともに、本誌の人気特集、「昼膳」の最新版が完成しました。編集部が日本全国より厳選した名店の数々をご紹介。ぜひ長くご活用ください。
前回の記事はこちら>> ※以下の記事は、『家庭画報』2020年4月号取材当時の情報です。営業時間等が変更となっている場合もありますので、最新情報は公式ホームページ等でお確かめください。 東京・和食の注目店へ
締めは「穴子桜飯」。桜葉、桜の花、錦糸玉子。米は新潟・かやもり農園のコシヒカリ。「雲井窯」の中川一辺陶の土鍋で。【麻布 和敬】(西麻布)
温かな雰囲気と実直な味が自慢。路地裏の佳店
2018年11月の開店以来、常連客で賑わいを見せているのが「麻布 和敬」。木の温もりを感じる店内にはルイス・ポールセンの照明があしらわれ、モダンな雰囲気を漂わせます。
ご主人の竹村竜二さんは、「分とく山」野﨑洋光さんのもとで修業し、故郷の松山で独立しましたが、「さまざまな人や情報が行きかう場所に身を置いて、関東や関西にとらわれない“日本の懐石料理”を追求したい」と一念発起、食通が集まる西麻布で再スタートを切りました。
雪見障子にルイス・ポールセンの照明が映える、モダンな印象の個室も人気。その言葉どおり、料理はどれもが伝統的日本料理を踏襲しつつも、おおらかでどこか自由な印象。
春をそのまま映したような「穴子桜飯」は、ふっくらと炊いた穴子が食欲をそそります。
「海松(みる)貝・からすみの飯蒸し」はお凌ぎの一品。愛らしい団子の器に盛り付けて。活きのよい桜鯛とさよりのお造りに添えられたのは、珍しい天然の岩茸や莫大(ばくだい)という名の木の実。
「岩茸を採って、わざわざ送ってくださるかたがいるのです。そういった人と人とのつながりを大切にしていきたい」とご主人。
お造りは桜鯛にさより。桜鯛は瀬戸内産。早朝獲れたものを一日水槽で泳がせ、神経締めをして送ってもらう。これで桜鯛本来のおいしさが出る。花びらはゆり根。昼夜ともに、料理は1万3000円のコースのみですが、夜の本格的な料理を昼に気軽にいただけるのは、この店ならではの魅力。根津美術館からも近いので、「美術鑑賞と合わせて、隠れ家的お店でゆったり昼膳」というのも、楽しいアイディアです。
おおらかな笑顔でお客さまを迎えるご主人の竹村竜二さん。麻布 和敬(あざぶ わけい)住所:東京都港区西麻布2-7-9
TEL:03(3486)0149
営業時間:12時~14時30分(入店。昼は前日までに予約)、18時~21時(入店)
定休日:日曜(翌日が祝日の場合は営業、月曜休み)
URL:
https://wakei.tokyo/昼、夜ともに1万3000円のコースのみ。個室1室(6名/3名以上室料なし)※要予約
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撮影/鈴木一彦 取材・文/安齋喜美子
※価格には別途サービス料や個室料金がかかる場合がございます。
※特集内でご紹介した料理は、食材調達の都合で変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
『家庭画報』2020年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。