東京、北海道、金沢、大阪、福岡ほか 名店の「昼膳」 第11回(全18回) 桜の便りとともに、本誌の人気特集、「昼膳」の最新版が完成しました。編集部が日本全国より厳選した名店の数々をご紹介。ぜひ長くご活用ください。
前回の記事はこちら>> ※以下の記事は、『家庭画報』2020年4月号取材当時の情報です。営業状況は変更となっている場合もありますので、最新情報は公式ホームページ等でお確かめください。 【関西】
食通がわざわざ訪ねる実力店へ
鱒ずし、ほたるいか燻製、おこわの桜葉包み、焼き本もろこ、卵黄味噌漬けとそら豆団子の串打ち、根曲がり筍、クルミこんにゃくフライ、わらび海苔巻きなどを一籠に盛った八寸。【心根】(大阪・高槻市)─日本料理
里山に咲く瑞々しき口福時間
大阪・北摂のベッドタウン、高槻の市街から車で30分ほどの山間地にひっそりと佇む「心根」。
かつて別の場所で店を営んでいた片山 城(きずく)さんが長年の夢だった田舎の古民家を一昨年手に入れ、古材を生かした趣のある空間に改装し、開業しました。
春になると脂がのり、おいしさが増す鹿肉の炭火焼き。ぬか漬けしたブロッコリーのペーストやふきのとうご飯とともに。日本の二十四節気を二節気ずつ取り入れた料理やしつらいでもてなし、四季折々の野山や川の幸を街中にはない鮮度や食べ方で楽しませてくれます。
炭火でじっくり焼き上げた天魚のたれ焼き。かつらむきして渦巻き状にして揚げたじゃがいもと。器は辻村史朗作。「お客さまや食材とゆっくり向かい合える環境を得て、目標にしてきた心身を癒やしてくれる料理になってきました。食材はジビエ、川魚、野菜、山菜に絞り、海の魚は封印し、鯖ずしやへしこといった一仕事したものだけ」と里山らしさに特化させています。
春分、清明の献立は春の食材を余すところなく用い、なかでも花籠に盛った八寸は思わず歓声が上がる、鄙(ひな)にして洗練の一品です。
豊かな自然と四季折々の食材に触れながら料理に磨きをかけるご主人の片山さん。コースは、天魚(あまご)や鹿肉の炭火焼き、ふなや猪肉、山野草の料理が続き、炊きたての土鍋ご飯に和菓子、抹茶と盛りだくさん。
60種類ほどの素材と独自の調理法で、口福を生んでいます。
春には周辺の木々が芽吹きの姿に変わり、里山の恵みにおなかも心も満たされることでしょう。
高槻市北部の集落、樫田にひっそりと建つ一軒家。築100年超の古民家にカウンターや趣あるテーブル席を配し、里山の旬味を提供。心根(こころね)住所:大阪府高槻市中畑久保条15-1
TEL:072(691)6500
営業時間:12時~15時、18時30分~22時
定休日:火曜定
URL:
https://www.cocorone0309.com/昼コース8000円、1万5000円。夜コース1万5000円~。写真は昼1万5000円の献立より。
※要予約
※送迎あり。JR高槻駅北口に11時集合、1~9名まで対応。
表示価格はすべて税抜きです。
撮影/久間昌史 取材・文/西村晶子(106~113ページ)
※価格には別途サービス料や個室料金がかかる場合がございます。
※特集内でご紹介した料理は、食材調達の都合で変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
『家庭画報』2020年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。