東京、北海道、金沢、大阪、福岡ほか 名店の「昼膳」 第13回(全18回) 桜の便りとともに、本誌の人気特集、「昼膳」の最新版が完成しました。編集部が日本全国より厳選した名店の数々をご紹介。ぜひ長くご活用ください。
前回の記事はこちら>> ※以下の記事は、『家庭画報』2020年4月号取材当時の情報です。営業状況は変更となっている場合もありますので、最新情報は公式ホームページ等でお確かめください。 【関西】
食通がわざわざ訪ねる実力店へ
【レストラン オテル・ド・ヨシノ】(和歌山市)フランス料理
和歌山の豊かな食材を正統派フレンチで
和歌山の食材をふんだんに使った地産地消のフレンチで全国の食通たちを魅了する手島純也さん。料理は古典的でありながら古さをまったく感じさせない洗練されたおいしさに溢れています。
加太(かだ)の鯛のマリネと地元の柑橘専門農家「原農園」のサワーポメロの爽やかな前菜。皿に敷き詰めた柑橘果汁と白ワイン、カンパリで作ったゼリーが2つの素材のつなぎ役に。「昼も夜と同じクオリティで、いずれもフランスにいた頃、食べて感動した正統、王道のフレンチです。和歌山は海のものも山のものも多種多様で、ジビエ、魚、野菜、フルーツのいずれも味が濃厚なのでフランス料理にぴったり。フランス産の食材との相乗効果をもって作り上げるのが私のスタイルです」と実直に料理と向き合っています。
「苺ミルク2020梅の香り」。苺スープの下にパイ生地やクリーム、梅ジャム、上に練乳スプーマ、メレンゲ、苺アイスなどを重ねたリッチなデザート。表面に並べた苺は生とドライを使用。野趣溢れる骨太なジビエ料理が得意というシェフですが、春は旬の鯛を使った魚料理がメインとして供されます。
優しめのタッチかと思いきや、加太(かだ)で揚がった鯛と赤足海老、帆立のムースをパイで包んで香ばしく焼き上げた古典料理の粋が詰まった重厚なひと皿。
加太の鯛、赤足海老、帆立のムースをそれぞれ火入れし、パイで包んだ王道のひと皿。旬野菜、鯛のあらを煮詰めた白ワインソースと。写真左のように切り分けて供す。一方前菜は、鯛のマリネに柑橘とゼリーを合わせ、こちらは素材のうまみに爽やかな酸味や香りを重ねたエレガントな味わいです。
レストランがあるのは県民交流施設の最上階という意外な立地ですが、一度訪れれば納得。空間やサービスも含め、ここならではのおいしさがあることを誰もが実感することでしょう。
フランス料理界の重鎮、吉野 建さんより和歌山店を任されて12年。クラシックフレンチの継承者としても注目を集める手島シェフ。レストラン オテル・ド・ヨシノ住所:和歌山市手平2-1-2 和歌山ビッグ愛12階
TEL:073(422)0001
営業時間:11時30分~14時(LO)、17時30分~21時(LO)
定休日:月曜・火曜(祝日の場合は営業)
URL:
https://www.hoteldeyoshino.com/昼コース3700円、5600円、8800円、1万2000円。夜コース7000円~。写真は昼8800円の献立より。
個室1室(2~6名)
※要予約
※中学生以下は個室のみ来店可能。
「#フレンチ」の記事一覧はこちら和歌山県のナチュラルチーズ専門店 表示価格はすべて税抜きです。
撮影/本誌・西山 航 取材・文/西村晶子
※価格には別途サービス料や個室料金がかかる場合がございます。
※特集内でご紹介した料理は、食材調達の都合で変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
『家庭画報』2020年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。