東京、北海道、金沢、大阪、福岡ほか 名店の「昼膳」 第15回(全18回) 桜の便りとともに、本誌の人気特集、「昼膳」の最新版が完成しました。編集部が日本全国より厳選した名店の数々をご紹介。ぜひ長くご活用ください。
前回の記事はこちら>> ※以下の記事は、『家庭画報』2020年4月号取材当時の情報です。営業状況は変更となっている場合もありますので、最新情報は公式ホームページ等でお確かめください。 【福岡】
気鋭店を訪ねる旅の楽しみ
締めは「神宿る島より」と名づけられた一品。だしで炊いたご飯に塩うにを混ぜ、さらに鐘崎漁港の紫うにを存分にトッピング。【日本料理 トビウメ】(北九州市)─日本料理
北九州の地の幸を追求するネオ和食
「食材はできるかぎり地元のものを使います。この場合の地元というのは、僕が自分で取りに行ける範囲のこと。北九州市の西という立地も幸いで、店からだと芦屋漁港や鐘崎漁港も、おいしい野菜を多く育てている若松もそれほど遠くはありません。空いている時間に車を走らせて、食材の調達をしています」とにこやかに話すのは、店主の田代晃司さん。
春のコースにも芦屋漁港のさわら、合馬(おうま)の筍、鐘崎漁港の紫うになど近隣の山海の幸が華やかに登場します。
山口県産の赤貝と若松産のわけぎやトマト、わらびを酢味噌あえにした「春の足音」。そして、その自慢の食材がいつ、どのような料理になってお目見えするのか、運ばれてくるまでわからないのも「TOBIUME」のユニークなスタイル。
本日の献立に書かれた「春の足音」や「ラブ&ピース」といった言葉から、次の一品にわくわく想像を巡らせながら、料理を待つのも楽しいひとときです。
合馬の筍、神湊漁港のいかと木の芽をあえて。愛らしいプレゼンテーションに歓声が上がる。メニュー名はもちろん「竹取物語」。日本料理の確かな矜持を守りつつ、盛りつけも構成も遊び心に満ちた一品一品、全国からのお客さまが多いというのも頷けます。
街道沿いながら、一歩入れば静かな店内。昼夜とも各3組のみ。日本料理TOBIUME(にほんりょうりとびうめ)住所:福岡県北九州市八幡西区千代ケ崎3-14-11
TEL:080(4696)1369
営業時間:12時~12時30分(LO)、18時~19時30分(LO)
定休日:月曜
昼、夜ともに1万5000円のコースのみ。2名以上に対応
※前日までに要予約
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撮影/阿部 浩 構成・取材・文/露木朋子
※価格には別途サービス料や個室料金がかかる場合がございます。
※特集内でご紹介した料理は、食材調達の都合で変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
『家庭画報』2020年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。