東京、北海道、金沢、大阪、福岡ほか 名店の「昼膳」 第17回 桜の便りとともに、本誌の人気特集、「昼膳」の最新版が完成しました。編集部が日本全国より厳選した名店の数々をご紹介。ぜひ長くご活用ください。
前回の記事はこちら>> ※以下の記事は、『家庭画報』2020年4月号取材当時の情報です。営業状況等は変更となっている場合もありますので、最新情報は公式ホームページ等でお確かめください。 【福岡】
気鋭店を訪ねる旅の楽しみ
コースのハイライト「季節の八寸」。筍の木の芽和え、帆立のあられ揚げ、春野菜の煮浸し、自家製卵焼きと海老・そら豆などがあでやかに。【御料理 古川】(福岡市)─日本料理
主人の想いを込めた八寸が卓上に花開く
芽吹きの春を写し取ったような先付、ふくよかな味わいのお椀。
ひとたびコースが始まると、福岡の旬の恵みのおいしさが立ち上り、見ただけでも心躍るような料理が次々と登場します。そしてその感動は、季節の八寸が運ばれた瞬間、最高潮に達することでしょう。
玄海灘の鯛とさわらのお造り。ユニークな器は福岡・津屋崎の作家、藤吉憲典(ふじよしけんすけ)作。鮑の貝を型にして作られたオリジナルだ。食材だけでなく、器や暖簾なども地元産をセレクト。鯛の子、わらびの煮浸し、海老とそら豆。流水の酒杯にぼんぼりの器。絵巻物のような春の八寸には、ご主人・古川 誠さんの料理への想いがぎゅっと詰まっています。
糸島・加布里(かふり)産のはまぐりと卵葛豆腐のお椀。器はアンティークの秀衡椀。「日本料理を志したのは、華やかな八寸に憧れたからです。専門学校時代に『味吉兆』の“朝顔の八寸”を見て、美しすぎる! ──これは料理なのか?と言葉にならないほど感動しました。いつかは自分もそれだけ人の心を動かすことができる料理を作りたい。その気持ちが僕の原点です」。
先付「春野菜のジュレがけ」を唐津焼の作家・内村慎太郎の山瀬平向付に。筍、うるい、菜の花などの個性ある味わいをお酢ベースのジュレが引き立てる。ご主人が厳選した日本酒と合わせて。2018年夏にこの店を開業。旬のエッセンスを凝縮した鮮やかな八寸は、お客さまの心を虜にし続けています。
「日本料理って楽しい!と思っていただけると嬉しいです。ゆくゆくはカウンターならではのライブ感のある献立も考えていきたいですね」。
太宰府市出身の古川 誠さんと奥さまの鮎実さん。店は住吉神社の程近くにある。御料理 古川(おりょうり ふるかわ)住所:福岡市博多区住吉3-9-2 アーバンⅢ1階
TEL:092(409)6113
営業時間:12時~14時30分、18時~22時
定休日:月曜・火曜昼
URL:
https://oryouri-furukawa.com/昼おまかせ5000円。夜は1万円、1万5000円。
個室2室(各4名。1室にして8~10名の使用も可)
※前日までに要予約
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撮影/阿部 浩 構成・取材・文/露木朋子
※価格には別途サービス料や個室料金がかかる場合がございます。
※特集内でご紹介した料理は、食材調達の都合で変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
『家庭画報』2020年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。