「四国の魅力」を味わう 第8回(全18回) 四方を海に囲まれ、自然の恵みが溢れる四国。秋には山海の幸が旬を迎えます。瀬戸内の美しい景色とともに、土地の食材を味わえる名店の料理、ご自宅で作れるレシピ、お取り寄せ情報をお届けします。
前回の記事はこちら>> ラピ(愛媛県・伊予市)
脂ののった真さばとレモンライムのマリネ新鮮な真さばをレモンライムでマリネし、さっとあぶってからドレッシングであえた、前菜の一皿。
<作り方>ドレッシングはオリーブオイル、レモンライム果汁、柑橘系のマーマレードを1:1:1の割合で混ぜ、塩、パセリ、レモンライムの皮のすりおろしを加えたもの。伊予の景色と柑橘の味わいに浸る
「ラピ」は、瀬戸内の海に臨む山の中腹に建つイタリアンレストラン。シェフの宮川圭輔さんは宇和島市出身。約6年前に地元に戻り、改めて愛媛の食材の豊かさに驚かされたといいます。
「鮮度はもちろん、食材のクオリティが高く、野性的な強さを感じます」と話す宮川さん。今回のメインメニュー「はなが牛」もその1つ。飼料は自家配合し、極力ストレスのない環境で育てたはなが牛は、嚙むほどに豊かな味わいが広がります。
柑橘の多彩な表情を味わえるデザート(右)生クリームで作るイタリアのプリン「カタラーナ」に酢みかんをきかせたソースや、ゆっくり低温乾燥させて甘みが増したみかん、干しみかんとアマレットを入れたセミフレッドを添えて。焼きみかんとはなが牛のロースト(左)はなが牛の熟成肉のシンプルロースト。焼きみかんやスパイスのきいた柑橘系のマーマレードで味に変化を。
<焼きみかんとはなが牛のローストの作り方>はなが牛は油をかけながら両面をカリッと焼いて塩をふる。「愛媛の柑橘には、昔ながらの味わいを失わず、繊細で強い酸味や甘みを持つものが多くあります。シンプルな料理にこの柑橘の酸味や甘みを足すことで、複雑な味わいが生まれてきます」。イタリア各地で修業してきた宮川さんは、どの店にも共通する、素材を生かすシンプルな調理法こそが、愛媛の食材に向いているといいます。
焼いて付け合わせに、ジャムやソースに、搾ってマリネに......と柑橘愛に溢れる料理の数々。その甘さ、酸味、苦みまで存分に生かしたシェフの珠玉の料理を、伊予の景色とともに堪能できます。
シェフの宮川圭輔さん。2005年大阪で開業。14年に松山市、19年に伊予市に移転。左はご実家のみかん農園のジュース。6本セット5500円。FAX089(552)1269で注文可能。ラピ愛媛県伊予市上三谷甲2209-13
TEL:089(916)3088
営業時間:11時30分~13時(LO)、18時~19時30分(LO)
定休日:日曜
URL:
https://lapi-iyo.tumblr.com/コース昼2700円・6000円、夜8000円。要予約。
【お取り寄せ】
島で、無農薬・減農薬栽培に取り組む
「清水果樹園」のレモンライム、柑橘瀬戸内海に浮かぶ「中島」で除草剤や化学肥料を使用せず、無農薬または減農薬で柑橘類を栽培。レモンとライムをかけ合わせたレモンライムは、瑞々しく穏やかな酸味で香りも爽やか。レモンライム(約1キロ・約20個)2000円。
●清水果樹園TEL:090-4789-6211
FAX:089(997)0440
URL:
https://shimizu-fruitfarm.com/※お取り寄せの内容は電話やFAXで相談
【お取り寄せ】
大切な人に食べさせたい安心安全な熟成肉
「ゆうぼくの里」のはなが牛赤身に適度なサシが入ったバランスのよい牛肉。地元西予市産の米や稲わら、麦わらを飼料にし、整った環境でのびのびと飼育。ゆうぼくの里で扱うはなが牛は約1か月かけて丁寧に熟成させたもの。特に赤身は肉本来の風味やうまみが存分に味わえる。「乾燥熟成はなが牛ロースステーキ」(約250グラム、真空冷凍)3000円~3600円。
●ゆうぼくの里TEL:0894(62)5877
URL:
https://yuboku.jp/ 表示価格はすべて税抜きです。
撮影/大泉省吾 取材・文/井伊左千穂
『家庭画報』2020年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。