銀座若松
松を形どった羊羹入り。ビルの1階だが路地風の通路に面し、古きよき銀座の風情が漂う。老舗の変わらぬ味を求めて
江戸の屋台で売られていたお菓子が明治期に「みつ豆」となり、昭和初期に「あんみつ」に発展。そんなあんみつの歴史を作ってきた甘味処の、老舗の味をいただきましょう。
あんみつ発祥は銀座の老舗から
昭和5(1930)年、常連客から「もっと甘いものが食べたい」といわれた2代目当主が、みつ豆にこし餡をのせたところ、評判に。これが各地へ広まり、全国区の甘味として定着したといいます。
「うちのあんみつは、十勝産のあずきを炊いた餡が主役です。もともと汁粉屋でしたから、餡に自信があった。だからこそ、この味が生まれたのでしょう」と、ご主人。
しっかりした甘みですが、くどさはなく、後味すっきり。絶妙な甘さ加減が長く愛される秘訣のようです。
Information
銀座若松
東京都中央区銀座5-8-20 コアビル1階
撮影/南都礼子 取材・文/北村美香
『家庭画報』2022年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。