スウェーデンの夏を味わうおもてなし 第2回(全8回) 世界各国、夏を満喫する術はそれぞれありますが、とりわけ北欧諸国は、寒さ厳しい冬が長いぶん、太陽と自然の恵みを享受できる夏に特別な思いがあります。駐日スウェーデン大使夫妻のおもてなしの食卓から、スウェーデンの夏を旅する気分でお届けします。
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フィーカを、リビングルームで楽しむ。ソファのプリントは、20世紀半ばに活躍したスウェーデンを代表するテキスタイルデザイナー、ヨセフ・フランクによるもの。スウェーデンではコーヒーでひと休みし、仲間とくつろぐ「フィーカ」の時間を大切にします。今回のパーティでも、デザートを一緒にいただくコーヒータイムはリビングルームに移動してゆったり楽しむことに。フィーカのスタイルを取り入れました。
大使夫妻が生活し、ゲストをもてなす場でもある公邸には、デザイン大国であるスウェーデンの魅力を感じるアイテムが配されています。動植物といった自然のモチーフを好み、温もりと涼やかさを両立させて仕上げるのがこの国のデザインの特徴。そんなインテリアに囲まれると、身も心も浄化されるようです。なお大使のお気に入りは、今腰掛けているソファ。
「休みの日にはこの大きなソファに寝転んで(笑)、よく新聞を読みます」。
さて、この日のデザートは、ピスタチオのアイスクリームにいちごを組み合わせた一品です。「季節を感じるデザートですね」と夫人も笑顔に。
「スウェーデンでは食材の旬を非常に大切にします。いちごをはじめとするベリー類は夏だけに食べるのが基本です。限られた時季にだけ出回るから、食べる楽しみも増すのです」。
四季折々の自然と、日々の生活を調和させるのがスウェーデン流。公邸でのフィーカにも、その精神が息づいています。
下のフォトギャラリーで詳しくご紹介します。 撮影/阿部 浩 取材・文/柴田 泉
『家庭画報』2022年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。