極上のあんみつ 第14回(全16回) 涼をもたらす見た目に、体に沁みる優しい甘さ。盛夏にぴったりの大人の甘味をお届けします。
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陰の立役者に注目。蜜を味わう
最後に味を決めるのは蜜。同じ黒蜜でも、使用する黒糖の産地や煮詰め方によって、個性の違いが出てきます。あっさり派、とろり濃厚派、乳酸菌入りと各店、工夫を凝らしています。
黒糖に和三盆を加えた上品な蜜
蜜を楽しめる店としてオープンしたのが今から3年前。作りたて、モチモチの白玉が評判を呼び、人気を集めました。あんみつの餡、寒天、白玉、あんず。この4種類はすべて自家製です。
寒天と白玉が大ぶりなのは、食感の楽しさを感じてほしいから。生のあんずから作った甘煮のフレッシュ感もたまりません。
自慢の蜜は、波照間島の黒糖と和三盆糖を煮詰め、コクのあるきれいな後味になるよう仕上げています。どれも丁寧に作られていて、ナチュラルな味わい。「いまどき」のあんみつの登場です。
白木のテーブルと椅子、作家もののシンプルな器。きものでお出かけのカップルもちらほら。 撮影/南都礼子 取材・文/北村美香
『家庭画報』2022年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。