驚きと感動の“美味逸品” 第7回(全29回) 料理は、言葉より雄弁にその国のことを物語ります。駐日大使公邸のおもてなしを拝見し、世界各国の料理をレストランで楽しみ、珍しいスパイスやハーブに出合える食材店を巡る――私たちの周りにたくさんある“日本の中の外国”へご案内します。
前回の記事はこちら>> この冬オーダーしたい、世界のクリスマスケーキ
欧州圏ではクリスマスの時期に食べる伝統菓子を、1か月ほど前から、日本のお歳暮のような感覚で贈り合うのが一般的。ドライフルーツやスパイス入りで日持ちのよいものが多く、年末にかけて少しずつ楽しみます。日本で出合える本場の味をご紹介します。
パネットーネ(イタリア)
リッチでしなやかな生地に眠る50年の歴史
15世紀頃のイタリア・ミラノ生まれと伝わりますが、現在はイタリア各地で親しい人に贈るクリスマスの時期の定番菓子となっています。
バター、砂糖、卵を使ったリッチな発酵生地にレーズンやオレンジなどのピールを混ぜて焼く菓子パンで、小麦粉と水から起こす自家製発酵種を使うのが本場流。
「LESS」のオーナーシェフ、ガブリエレ・リヴァ氏は、ミラノの菓子店である生家から推定50年以上継がれてきた酵母を使用。イタリアのパネットーネ職人の多くが採用する特殊なミキサーで練り上げる生地は、軽くしなやかで口の中でほどけるよう。
ミルクチョコレート、オレンジピール、ヘーゼルナッツペースト入りはオリジナル。スペシャリテとして「GR」の頭文字を冠しています。
●LESSGR PANETTONE(ミルクチョコレート/オレンジ/ヘーゼルナッツ)
直径12センチ 4200円。全国発送可。
ウェブサイトにて注文を。
撮影/本誌・坂本正行 スタイリング/横瀬多美保 フードスタイリング/福岡直子 選・取材・文/平岩理緒 ウォールペーパー/ボラスタペーター(トミタ)
『家庭画報』2022年12月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。