人気店で味わう、自宅で作る「極上のかき氷」(最終回) 酷暑の時期にいただく一杯のかき氷。汗もすっと一瞬で引き、体の芯から涼しさが広がっていきます。氷にこだわる、シロップにこだわる、あらゆるスイーツとの組み合わせにこだわる......。華やかに広がりゆくかき氷の世界を涼やかにお楽しみください。
前回の記事はこちら>> 「かきごおりすと」に教わる
この夏はおうちで“極上かき氷”!
子どもの頃に氷屋さんで食べた、ふわふわのかき氷が忘れられず、全国のかき氷の食べ歩きを始めたのが十数年前のこと。
今や、かき氷本の執筆やかき氷イベントのプロデュースなどで大活躍の小池隆介さん・市場ゆりこさんご夫妻は、自他ともに認める「かきごおりすと」です。
食べ手としても作り手としてもベテランのお二人に、自宅で作るかき氷の極意を教えていただきます。
「シンプルなかき氷は、いかにクリアで均一な氷を作るかがポイント。一方、マンゴーピュレをベースにした台湾風は、凍った生地を手早く削って供するまでのスピードが勝負です」。
小池隆介さん(かき氷コレクション実行委員会代表)
市場ゆりこさん(フードコーディネーター)
お二人が中心となり、毎年発行しているガイド本『かきごおりすと』は、かき氷好きのバイブルに。「おうちでかき氷」の三極意
【壱】氷はゆっくりと四方から凍らせる
水はミネラルウォーターや煮沸した水など浄化したものを使用する。理想はミネラル分もなるべくないもの。
均一でピュアな氷を作るためには、ゆっくりと時間をかけて全体に凍らせていくのがコツ。水を流し込んだ製氷カップの周りに梱包材や新聞紙などを巻くと、ゆっくり凍っていくので、クリアな氷になりやすい。
製氷カップを冷凍庫のケースに直接置かず、小皿や箸を渡した上にのせると、全体に冷気が回るためむらなく凍り、削りやすい氷になる。
【弐】製氷カップから自然に氷が出るまで常温に置く
冷凍庫で一晩以上置いた製氷カップを取り出し、小皿の上に逆さにのせ、常温に置く。
カップから無理に取り出そうとすると氷にひびが入り、きれいなかき氷に削れない。ここは焦らず、時間をかける。
【参】機械を安定させ、一定の速さでリズミカルに削る
かき氷機「ちいさな南極」(池永鉄工)/家庭画報ショッピングサロン TEL:0120-919-287かき氷機は必ず平らな場所に置いて使うこと。重みのある鋳物製がおすすめ。
氷をセットしたら、あらかじめ冷やしておいた器を下に置き、左手でかき氷機をしっかり押さえながら、右手でレバーを回す。
一定の速さでリズムよく回すと、均一で美しい氷が削れる。