「日本茶」進化する美味 第3回(全4回)日本人の暮らしに欠かせない日本茶。その新しい楽しみ方を提案する専門店が増えています。注目したいキーワードは3つ。1つ目は、生産者がわかる「シングルオリジン」の茶葉の登場。続いて、煎茶にフルーツやハーブ、もしくは煎茶同士をブレンドして自分好みのフレーバーを味わう「ブレンドティー」。そして、菓子や料理とお茶を組み合わせる「ティーペアリング」です。家庭で楽しむためのヒントにもなる、“日本茶のいま”をご紹介します。
前回の記事はこちら>> 「ティーペアリング」で菓子とのマリアージュを楽しむ──ヒガシヤ マン 丸の内(東京・丸の内)
伝統を踏まえた革新的な和菓子を生み出す「ヒガシヤ」が、日本茶と和菓子の可能性を広げる店「ヒガシヤ マン 丸の内」を2019年6月、開店しました。
組み合わせの妙が光る季節のペアリング
大暑の頃(7月23日~8月7日)の「茶果」。炭酸で割った泡煎茶(左端)にはしょうが入り白餡で蜂蜜羹を包んだ菓子、トマトのブレンド茶にはほうじ茶餡と甘夏の綿玉羹を合わせた菓子という具合に右端のほうじ茶まで順に供される。4000円(税込み)。季節の暦“二十四節気”に合わせて、茶房ではお菓子とお茶のペアリング「茶果(さか)」を提案。
旬の食材と日本茶をバランスよくブレンド
季節のブレンドティーには、必ずフレッシュな野菜やフルーツが組み合わせられる。その見事な調和に感動。夏の一例として、とうもろこし、パイナップル、トマト、谷中しょうがなど。1800円~(税込み)。お茶は旬のフレッシュフルーツや野菜をブレンドしたもの、その季節におすすめの煎茶などを。
お菓子は和洋の垣根を越えた食材を絶妙に組み合わせて作る“ひと口果子(がし)”をそれぞれのお茶とペアリング。味、香り、食感、色などあらゆる角度から考え抜かれた組み合わせが楽しめます。
季節のお茶を楽しみながらヒガシヤの菓子の精粋をいただく
一の盆(籠)は季節のおこわ。二の盆は玉子焼、ごま豆腐、棗バターなど塩気のあるもの。三の盆は定番&季節の和菓子。香りを閉じ込める蓋付きグラスをはじめ茶器や器は、オリジナルデザイン。「茶間食(さまじき)」お茶2種付き4860円(税込み)。また軽食もいただける和のアフタヌーンティー「茶間食(さまじき)」では、お茶2種を選んでゆっくりと楽しめます。
約50種類の茶葉を販売。煎茶や番茶、独自の合組(ブレンド)の茶など多種多様(900円~)。ロウ引き箱(300円)もあり、贈答用にもおすすめ。茶房はカウンターのみで、目の前で行われる一煎ごとの美しい所作や、オリジナルの茶器等も見もの。身近なものだった日本茶や和菓子の新たな魅力に出会えます。
Information
ヒガシヤ マン 丸の内
東京都千代田区丸の内1‒4‒5三菱UFJ信託銀行本店ビル1階
〔特集〕新しい楽しみ方が続々と「日本茶」進化する美味(全4回)
表示価格はすべて税抜きです。
撮影/大泉省吾 角田 進 本誌・武蔵俊介 取材・文/井伊左千穂
『家庭画報』2019年9月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。