時代を超えて愛される「しあわせプリン」第2回(全11回) 幼い頃に食べた“懐かしのおやつ”が今、再び注目を集めています。今回は、愛され続ける老舗のプリンアラモードや、日本全国のお取り寄せプリンを厳選してお届けします。見た目や味のバリエーションもさまざまですが、共通するのは一口食べるとほっと笑顔になれること。懐かしくて新しい、プリンの世界をお楽しみください。
前回の記事はこちら>> ホテルでいただく至福のプリン
〔フルーツの特徴〕プルーンのコンポートは、接収時代に入手できた食材を使った名残で、軟らかく煮直してある。りんごは当初「矢羽根」を模したアローカットと呼ばれる最先端の包丁技術が施されたが、今はより親しみやすい「うさぎ型」に。ホテルニューグランド コーヒーハウス「ザ・カフェ」
国内外の賓客を迎える一流ホテルとして1927年(昭和2年)に開業し、日本の洋食文化を牽引してきた「ホテルニューグランド」。最高峰のフランス料理を提供する一方、顧客の要望に応えた創作メニューも生み出してきました。終戦の年、GHQに接収され、7年間、米軍高級将校らの宿舎になっていた時期、その夫人たちのために、見た目も華やかでボリュームのあるアメリカ流のデザートを出そうと考えたこの一品も、その一つです。
〔コルトンディッシュ〕元々、シュリンプサラダなどの前菜を盛るための器で、「クルトンディッシュ」が正式名称。食事とともに楽しむ「クルトン」(薄切りバゲット)をのせたことに由来する、ホテルニューグランド独自の呼び方とされる。プリンアラモード発祥の地
プリンにアイスクリームや缶詰の果物などを合わせ、「コルトンディッシュ」という横長の大きなガラス器に豪華に盛りつけて提供。斬新で洗練されたスタイルから、“プリン・ア・ラ・モード”と呼ばれるようになります。フレッシュのオレンジ、キウィ、りんご、缶詰のチェリーとバニラアイスが添えられた姿も通年で変わらず、世代を超えて愛される味です。
右・1930年頃のメインダイニング。左・「カスタードプディング」は昔ながらのアルミカップで焼くが、気候や温度により微調整を要し、表面のつやが焼き上がりのサイン。カラメルは程よいほろ苦さの琥珀色になる。純生クリームを添えてシンプルに提供。2017年の90周年記念で登場した「90thプリン ア ラ モード」。ガラス器入りプリンには別添のカラメルをかける。りんごはホテルのマークであるフェニックスの羽を表現。チョコレートケーキや木いちごソース、ミニパンケーキにメープルシロップも添えて盛りだくさんに。1日30食限定。ホテルニューグランド
コーヒーハウス「ザ・カフェ」神奈川県横浜市中区山下町10 本館1階
TEL:045(681)1841
営業時間:10時~21時(LO) 無休
プリン ア ラ モード1350円、カスタードプディング750円、90th限定プリン ア ラ モード1800円
〔特集〕時代を超えて愛される「しあわせプリン」(全11回)
表示価格はすべて税抜きです。
撮影/大泉省吾 取材・文/平岩理緒
『家庭画報』2020年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。