時代を超えて愛される「しあわせプリン」第9回(全11回) 幼い頃に食べた“懐かしのおやつ”が今、再び注目を集めています。今回は、愛され続ける老舗のプリンアラモードや、日本全国のお取り寄せプリンを厳選してお届けします。見た目や味のバリエーションもさまざまですが、共通するのは一口食べるとほっと笑顔になれること。懐かしくて新しい、プリンの世界をお楽しみください。
前回の記事はこちら>> 愛され続けるスイーツの歩み「プリン年表」
素朴なおいしさはそのままに、その時々で食感や姿を少しずつ変えてきたプリン。お出かけ先で食べるスイーツとして親しまれ、やがて手土産として広く楽しまれるようになりました。時代を超えて愛されてきた、その歴史を振り返ります。
●1930年頃
ホテルニューグランドにて「クレームカラメル」がメニューに登場●1947年
銀座ウエストがレストランとして創業「銀座ウエスト」クラシカルな固めプリン年来のファンが多いプリンの歴史は、正確には不明ですが、1970年代までは遡れるそう。店内提供のプリンには昔ながらの金属型を使用。最近は、蒸気を入れて低温で焼くのが主流ですが、こちらでは高温のオーブンでじか火焼きします。生クリームは入れず牛乳のみで作り、卵と乳の香りを生かすためバニラも使いません。カラメルはぐっとほろ苦く、しっかり固めの食感になじみます。
2019年2月1日発行のグリーティング切手「スウィーツ」にも選ばれた。銀座ウエスト 本店東京都中央区銀座7-3-6
TEL:03(3571)1554
営業時間:9時~22時(土曜・日曜・祝日は11時~)
無休
プリンを含むケーキセットは飲み物代+330円
●1950年頃
ホテルニューグランドにて「プリンアラモード」提供スタート●1962年
モロゾフ「カスタードプリン」誕生「モロゾフ」定番手土産プリンカスタードプリン。1962年(昭和37年)、銀座にほど近い場所にあった「モロゾフ日石ショップ」のオリジナルメニューとして作られたのが始まり。じっくり蒸して固める濃厚で素朴な味わいが瞬く間に評判を呼び、手土産として愛されるように。容器は軽量化などの改良を重ね、お皿に移すとプリン全体にカラメルソースがかかります。併設のカフェでいただける彩り美しいパフェもおすすめ。
カスタードプリンパフェ。モロゾフ神戸本店兵庫県神戸市中央区三宮町1-8-1
TEL:078(391)8718
営業時間:11時~20時(カフェ19時30分LO)
元日のみ休み
カスタードプリン300円、別サイズ200円(売店のみ)、カスタードプリンパフェ1200円(カフェのみ)
●1972年
グリコ「グリコプリン」(現在の「プッチンプリン」)発売●1993年
パステル「なめらかプリン」誕生「パステル」なめらかプリン革命1993年10月、クレームブリュレをモチーフにした「なめらかプリン」が誕生。芸能人の手土産としてテレビなどで紹介されたことにより、なめらかプリンのブームが巻き起こりました。以降、やわらかいプリンがプリンの主流の一つに。その後も“気軽に食べられるスイーツ”をコンセプトに、チーズスフレやカステラ生地を組み合わせた新食感のプリンを生み出しています。
2000~2010
「キャラメルプリン」「イチゴプリン」などのフレーバープリン。2017年にはココアパウダーで肉球を描いた「ニャめらかプリン」、2018年にはシャンティソースをかけたプリンにシュトロイゼルをのせた「ザクザクプリン」、2019年には軽やかなスフレをのせた「スフレプリン」を発売。パステル グランデュオ 蒲田店東京都大田区蒲田5-13-1グランデュオ蒲田 東館1階
TEL:03(6424)8116
営業時間:10時~21時(日曜・祝日は~20時30分)
無休(施設に準ずる)
全国に店舗あり
なめらかプリン330円、ニャめらかプリン350円、スフレプリン380円、キャラメルプリン、イチゴプリン各390円、ザクザクプリン400円
●2010年
オハヨー乳業株式会社がプリンの日を制定●2017年
カフェ リゼッタ「プリンアラモード」販売開始「カフェ リゼッタ」固めプリンが再注目店のオープンは2006年ですが、「プリンアラモード」の提供開始は2017年の春から。全卵と牛乳、天然バニラビーンズを使ったクラシックな固めプリンに、旬のフルーツたっぷりの佇まいが可憐で贅沢。練乳入り生クリームと程よい苦さのカラメルがとけ合い、懐かしさを呼び覚まされます。レトロ感への再評価の流れとともに、時代に合った進化を感じさせる一品。
カフェ リゼッタ 二子玉川店東京都世田谷区玉川3-9-7
TEL:03(5717)3779
営業時間:10時30分~19時
無休
プリン・ア・ラ・モード各1030円
〔特集〕時代を超えて愛される「しあわせプリン」(全11回)
表示価格は税込みと記載のあるもの以外は原則として税抜きです。
撮影/大泉省吾、大道雪代、本誌・坂本正行 取材・文/平岩理緒、西村晶子
『家庭画報』2020年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。