人気フローリストにならうお正月のフラワーアレンジ
前回の
生花のテーブルリースに続き、東京・世田谷の花店「宙花(そらはな)」の戸部秀介さんにお正月のテーブルを華やかにするアレンジと神聖な雰囲気の壁飾りの作り方を教えていだたきます。
重箱を花器にに立てたアレンジで、花おせちを楽しむ!
家族が集まり新年の挨拶を交わすお正月の食卓は華やかな花で飾りたいものです。食卓を囲んだときときに、互いに向かい合う方の顔がちゃんと見えるように、アレンジは低く仕上げるのがおすすめです。
そこで、ご提案。重箱を利用してボックスフラワー風にしてみてはいかがでしょう。ギュッと詰まった花々のアレンジはまるでおせち料理のように彩り鮮やかで、華やかな気持ちに。マムやコチョウランなどを使うときちんとした印象になり、新年のあらたまった雰囲気によく合います。
マムはスプレータイプを利用すると花数が多く、少ない本数でも面積を埋めやすくなります。最近ではかわいい色のスプレーマムが豊富に出回っているので、お好みの花色を選んでください。
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重箱アレンジの作り方は下のフォトギャラリーで詳しくご紹介しています>>同じ花材で2つ作れば、変化のあるレイアウトが楽しめます!
お重2つを横に並べて置くと、広がりのあるアレンジに。テーブルセンターとの色合わせで雰囲気もまた変わります。並べた際には、全体のバランスを見て、コチョウランを1〜2輪加えるとより華やかな印象になります。
お正月の壁飾りにぜひ使いたいのがヒカゲカズラ
「ヒカゲカズラ」または「ヒカゲノカズラ」と呼ばれる植物をご存じでしょうか。シダの仲間で、つる状で地面を這うように伸びます。お寿司屋さんでケースの中に敷かれていたり、お刺し身の下に敷かれて出てくることもある、と聞けば思い当たるかもしれません。
このヒカゲカズラは古くは『古事記』や『万葉集』にも登場し、現在でも神事によく利用されています。ドライになってもフレッシュな緑色が変わらないので、フラワーアレンジでもよく使われます。
1年の始まりを神聖なる植物で飾れば、気分もあらたまるのではないかと思います。そこで、ヒカゲカズラのシンプルなリースを作ってみました。
サンキライのつるで作ったリースベースに、リスーワイヤーでヒカゲカズラと白い羽のような山シダをあしらったシンプルなリース。自分から見て左上からスタートし、徐々に手前側(下方向)にリーフを重ねていきます。最後に紅白の水引とミディコチョウランをアクセントに加えると、おめでたい雰囲気に仕上がります。
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リースの作り方は第1回配信の「モミのふんわりリース」を参考にしてください>>ヒカゲカズラは時間がたっても美しい葉色がそのままなので、クリスマス前に作り、そのままお正月までもたせることも可能です。クリスマス用にはシルバーのリボンをつけても素敵。
では、重箱アレンジの作り方のポイントをご紹介します。コツをつかめば素敵な仕上がりに。ぜひお試しください。
重箱アレンジの作り方
フォトギャラリーを右にスクロールしてご覧ください。
戸部秀介(とべ しゅうすけ)
「宙花(そらはな)」オーナー兼フローリスト。
大手生花店、フランス人のフラワーデザイナーの店で経験を積み、2016年に「宙花」をオープン。リースやスワッグ、生花のブーケなどを得意とし、甘さの中にクールさも秘めたエレガントな作品が人気に。淡いピンクに白やシルバーの組み合わせが大好き。ワークショップにも力を注ぎ、年間での開催数も多い。ショップでのプライベートなグループレッスンも受け付けている。
完成したアレンジの写真/戸部秀介 撮影/横田秀樹 構成・取材・文/高梨さゆみ