ふくいひろこさんが誘う「茶箱あそび」の世界 家庭画報.comでもおなじみ、ふくいひろこさんによる茶箱あそびの書籍第2弾となる『茶箱あそび、つれづれ-暮らしの中で茶の湯を楽しむ』が2022年3月に上梓されます。 茶箱あそびとは、茶の道具を外に持ち出すツールである「茶箱」を、茶道具だけでなくそれに見立てた道具も使って自由に組み、どこでも気軽に抹茶を楽しむという、ふくいさんが提案するカジュアルな茶の湯のかたち。 外の時間も、おうちの時間も、茶箱ひとつでいつでも誰とでも。茶を通して、自然と、人と、そして自分自身とつながる。コロナ禍の今だからこそ暮らしに取り入れたい、茶箱あそびの魅力をお届けします。 記事の最後には
本書のプレゼント企画もございます。ぜひご応募ください。
リビングのテーブルなど、洋風の空間で使うことを想定して組んだ茶箱。茶箱とは、抹茶を点てる道具一式を入れた箱
「茶箱」とは抹茶を点てる道具一式を入れた小箱、どこでもお茶が楽しめる便利なアイテムです。日々の暮らしの中での一服、旅先での一服、友人宅の鍋パーティにも持ってゆけます。そして、本格的な茶会だってできてしまいます。
あそびの茶箱(茶箱あそび)とは?
現在、茶道の流儀によっては茶箱の点前があり、箱の中にどのような道具を入れ、どのような手順で茶を点てるかを稽古の中で学ぶことができます。
そのような茶箱とは少し区別をするという意味合いにおいて、あそびの茶箱という言葉を使っています。ここで紹介するのは、自由に道具を入れて日常の中で抹茶を楽しむアイテムです。
写真上左はフランスのブランド、エルメスのショップで出会った漆の箱。右はある雑貨店で見つけた籠。値段は関係なく、自分が好きで、楽しいと思うことがいちばん。茶箱あそびで、抹茶をもっと身近に
よく人から「抹茶ってお作法が」とか「どうも敷居が高くて」などと言われるのですが、本当にそうでしょうか。茶道という伝統の世界を背景に持つことがそんな発言の原因と思われますが、個人的には抹茶自体は飲料としてエコで、インスタントだと考えています。
たとえば煎茶とくらべると、茶殻は出ないし(←エコ)、粉末の茶を茶碗に入れて湯を注いで攪拌するだけ(←インスタント)。忙しい日々の間にさっと飲むには最適なのではないでしょうか。
煎茶などは湯の温度によってずいぶんと味が変わってしまいます。沸騰させた湯を湯冷ましや湯のみに入れて温度を少し下げ、それから急須に入れ替え、茶葉の変化を確かめながらお茶を淹れる。ところが抹茶の場合、煎茶ほど神経質に湯の温度を気にしなくてもよいような気がします。
もちろん抹茶は80 度前後で点てるのがよいとされていますから、これは個人的な感覚かもしれません。しかし、沸騰した直後の湯であっても、茶筅を振っているうちに温度が下がり、美味しく抹茶が点つので、それをクイっと飲んでいます。
その一方で、時には丁寧に道具を並べながら茶を点てる日もあります。それはどこかで身体よりも心を調えたい時。姿勢を正して座り、ゆっくりと手順を追いながら抹茶を点てると、呼吸が穏やかになってきます。誰かのために点てるお茶も、自分のために点てるお茶も、どちらであってもその時間は不思議な静けさと、一瞬の非日常をもたらしてくれる。
茶箱を用意しておくと、気が向いた時にさっと道具を広げられるので、その一瞬を得るためのハードルが低くなります。日常の中で茶箱を使うことは、茶の湯が身近なものになるきっかけになっているのです。
茶箱に入る道具
茶箱に入れておくと便利な基本的な道具は、茶を点て飲むための「茶碗」、抹茶を入れる「茶器」、茶をすくうための「茶杓」。そして茶を点てる道具の「茶筅」と茶筅を収める「茶筅筒」、茶碗などを清めるために濡らした布巾「茶巾」と茶巾を収める「茶巾筒」です。
茶箱を組んでいて、それぞれの道具がきっちりと箱に収まった姿を眺めると「たまらない」と思うそこに金平糖などの小さな干菓子を常備するための菓子器を加えます。この6 点はいわば基本の道具ですが、これ以外にも必要に応じて替茶碗(2つ目の茶碗)や小皿などを入れておいてもよいでしょう。自身がお茶を点てやすいように道具をまとめておくことがポイントです。
茶箱あそびで「茶のある」暮らしをはじめましょう
新刊『茶箱あそび、つれづれ-暮らしの中で茶の湯を楽しむ』では、茶箱あそびの実例とアイディアがたっぷり収められています ここでは一部をフォトギャラリーでご紹介。各茶箱の詳細はぜひ本書でご覧ください。
茶箱あそび、つれづれ 暮らしの中で茶の湯を楽しむ
ふくいひろこ 著
世界文化社
1870円
・
Amazon.co.jpで購入する>>・
Kindle版はこちら>>気軽に茶の湯を楽しむ「茶箱」の入門書。屋外、室内、季節の歳時に、ふくいひろこさんによる茶箱あそびの提案が収録されています。画像が多く、大判でわかりやすいのも魅力。茶箱あそび初心者の方にも、すでにご茶箱を組んであそんでいるかたも満足の一冊です。
ふくいひろこ
京都市生まれ。茶道周辺や京都関連本の編集者をつとめながら、自身の趣味として茶箱であそぶこと20余年。茶道具のみならず見立ての道具をふんだんに使い、日常で楽しむお茶を提案。道具を集めるのに飽き足らず、理想の茶箱道具を知り合いの作家や職人にオーダーするうちに、オリジナル茶箱の作品群が生まれ、時折展示会なども行っている。
●水円舎ホームページ
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