普段使いのぬりもの(漆器) 第3回(全10回) より質の高い器を買い求める機運が高まっています。これまで、敷居が高いと敬遠されてきた漆器人気もその流れのひとつ。手に取り、唇に触れるたびに心が和む木の器は、殺伐とした時代にあってゆとりを取り戻す“癒やしの器”としての側面が再評価されています。
前回の記事はこちら>> 新しい感性でぬりものに新風を呼ぶ。気鋭の塗師(漆芸作家)たち
先達からの知恵を生かしながら、現代の生活に溶け込む個性豊かな漆器をつくり続ける現代の若手塗師たち。漆の可能性を拓くその手業から生まれた逸品をご紹介します。
フレンチの巨匠(アラン・デュカス)が認めた黒の漆ワールド
商品の詳細は下のフォトギャラリーへ>>杉田明彦 Akihiko Sugita
「鉄鉢」という名前のとおり、鉄のような質感。それでいて手に取ると驚くほど薄く、軽い。陰影のある色合いとモダンな造形を特徴とする杉田さんの漆器は、フレンチの巨匠、アラン・デュカスも認めた唯一無二の美しさだ。
「古物が持つ表情が好きで、中世の宗教画などに心惹かれます」。漆を使った平面作品も手がける杉田さん。
アートで試みた表現を漆器に取り入れ、その可能性をさらに拓いていく。
奥から「スレート折敷」(40×30×高さ1センチ)4万1800円、「スレート茶托」(9.5×9.5×高さ0.5センチ)3850円、「スレート皿(大)」(29×19×高さ0.5センチ)9900円、「挽き目皿(大)」(径21×高さ2センチ)2万4750円、「挽き目皿(中)」(径18×高さ2センチ)1万4300円、「挽き目皿(小)」(径15×高さ1.5センチ)8800円/すべてギャラリー&カフェ やいち テーブルクロス/麻平 掲載漆器についてのお問い合わせは、『家庭画報』2022年5月号96~97ページまたは、
第2回のギャラリーをご参照ください。 撮影/本誌・西山 航 取材・文/冨部志保子
『家庭画報』2022年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。