普段使いのぬりもの（漆器） 第5回（全10回） より質の高い器を買い求める機運が高まっています。これまで、敷居が高いと敬遠されてきた漆器人気もその流れのひとつ。手に取り、唇に触れるたびに心が和む木の器は、殺伐とした時代にあってゆとりを取り戻す“癒やしの器”としての側面が再評価されています。
前回の記事はこちら＞＞ 日常にもっと漆を。毎日使う今どきのぬりものレッスン
時代とともに「普段使いの器」の形や有り様は変化します。高齢化社会、SDGs、コロナ禍の癒やし…… 社会背景を含め、ここでは今の暮らしを踏まえた「今どきのぬりもの」の選び方と使い方を考えていきます。
Lesson 1
取っ手があるのが、とってもいい
持って熱くない漆器カップの「取っ手」は本来不要なものですが、昨今、握力が弱くなった高齢者を中心にニーズがあるといいます。指が3本入る大きめの取っ手がこれからの時流で、この「思いやりを形にした器」は、結果的に誰にでも使いやすいユニバーサルデザインになっています。
Lesson 2
脱プラスチックに抗菌性の高い漆器を！
また、古くから防腐・防虫効果があるといわれてきた漆は、ほかの素材と比べても抗菌・抗カビ効果が高く、油がしみることもないため、保存容器としても重宝します。しかも、漆は木の呼吸を妨げないため、冷めてもご飯がおいしくいただけるのも嬉しい点。長期間でなければ、最近はプラスチック容器の代わりに冷蔵庫に入れて使う人も増えてきているそうです。
それぞれのアイテムの詳細は、下のフォトギャラリーでご紹介します。掲載漆器についてのお問い合わせは、『家庭画報』2022年5月号96~97ページまたは、
第2回のギャラリーをご参照ください。 撮影／本誌・西山 航 取材・文／冨部志保子
『家庭画報』2022年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
