藤野幸信さんが選ぶ「季節の贈り花」 今、この花を贈りたい! 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが“今贈りたい”おすすめの花をセレクト。その花を使った、新作ブーケ&アレンジメントをさまざまなバリエーションでお届けします。
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ベル型で花弁が反り返るように開くクレマチス「ダッチェス オブ アルバニー」をスパイダー咲きのシャクヤク、まん丸のシャクヤク「エッチドサーモン」と合わせて。華やかなピンクづくしのブーケが気持ちを明るくしてくれます。大人っぽいかわいらしさがクレマチスの魅力
クレマチスは4月中旬から出回り始め、秋まで何らかの品種が市場に出ます。なかでも品種が豊富に揃うのが、ちょうど庭でも多くの品種が咲き誇る6月〜7月です。
クレマチスは咲き方のバリエーションが豊富で、10cmを超す大きな花を咲かせる系統や、小さなベル型の愛らしい花を咲かせる系統などがあります。まったく異なる花形でありながら、どちらも涼しげなエレガントさがあり、大人のかわいらしさを感じさせるところが大きな魅力だと思います。
また、先端がくるっと巻いたつるの動きもクレマチスの魅力で、植物のつるの自然な動きが大好きな私としては、クレマチスのつるを見ただけでテンションが上がります。明るい緑色で丸みのある葉、すっと先端が尖ったスマートな蕾もブーケやアレンジの表情を豊かにしてくれるので、捨てるところがなく利用しています。そんなつるや葉の印象も含め、クレマチス全体がもつ軽やかな雰囲気は、梅雨の時期のうっとうしさを軽減してくれると思います。
ベル型で花弁の先端だけがくるんとカールする「天使の首飾り」。名前も愛らしく、大のお気に入りの品種です。ふっくらした蕾のかわいらしさにもご注目を。小ぶりでアクセントとして使い勝手のよいのがベル型のクレマチスですが、最近、さまざまな品種が出回るようになり、贈り花では大活躍してくれます。そうでなくてもクレマチスは大のお気に入りの花なのに、魅力的な品種が新たに切り花として加わり、この時期はオーダーしたクレマチスが届くのが楽しみでなりません。
さらに、花が終わったあとのタネも出回るのですが、これがとてもユニークな形状でどう使おうか考えるだけでわくわくしてきます。下のバリエーションでお見せしますので、ぜひチェックしてみてください。
下のフォトギャラリーから詳しくご覧いただけます。 藤野幸信/Yukinobu Fujino
広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「fleurs trémolo」(フルール トレモロ)オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を終了後、花の道に進んだ異色の経歴。感動する花束を多くの人に届けたいという思いから、市場からだけでなく自ら生産者情報を入手してお気に入りの花を集める。何種類もの花を使ったブーケは、エレガントでナチュラル。著書
『大切な人への贈り花』も好評。
https://www.fleurs-tremolo.com 『人気フローリストが教える フラワーアレンジのデザイン&ヒント78 大切な人への贈り花』
誕生日、結婚記念日、ウエディングなど、78例のブーケ&アレンジメントを色別に掲載したオールカラーの大判の単行本。色別花図鑑コラムや全国の生産者データなどお役立ち情報やインデックスも充実。大切な人へ花を贈る際のヒントが満載です。