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鏡リュウジさんが占星術で読み解く2023年。英国占星術の教科書から星々の言葉を探る

2023.01.26

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鏡リュウジと英国占術4人の巨匠たち 魔法と星の国「英国」へようこそ 第3回(全16回) スピリチュアルが日常に生きている現代占星術の国、英国。そんな英国に惹かれ続ける鏡リュウジさんと、英国を代表する4人の占術家(マギー・ハイド、ジュリエット・シャーマン=バーク、フランク・C・クリフォード、エリザベス・ブルーク)が総登場。2023年を徹底的に占います。前回の記事はこちら>>

〔鏡リュウジ〕占星術で読み解く2023年


2023年の12星座それぞれの運勢を鏡リュウジさんがずばり読み解きます。英国には『占星術の教科書』といえる著名な書物が存在しますが、そこには温故知新の知恵が満載。まずはそれらの教科書を繙(ひもと)くところから。

12星座別に運勢を見る>>

スピリチュアル・ブリテン鏡リュウジ 心理占星術研究家・翻訳家。国際基督教大学大学院修了。英国占星術協会会員。日本トランスパーソナル学会理事。平安女学院大学客員教授。京都文教大学客員教授。東京アストロロジースクール代表講師。占星術の心理学的アプローチを日本に紹介。著書・訳書多数。

英国占星術の教科書を繙き星々の言葉を探る


2023年はいったいどんな年になるのだろう。良心的な占星術家であるほど具体的な予言はしないものではあるのだが、ホロスコープを移ろう星影から、何かのヒントを得ることはできるのではないだろうか。

ここで繙(ひもと)きたいのは英国のスタンダードな占星術教科書たちだ。これらは基本的に個人の出生ホロスコープから本人の潜在的な可能性を探ろうとするものであるが、ここではそれを「世界の」あるいは「世間の」ものとして読み換えてみたい。

古来、占星術の基本原理は「大宇宙と小宇宙たる人間は相似形」であるというもの。だとすれば個人と集団もまた相似形であると言えるだろうからだ。

2023年の星図は何を告げているのだろうか。

春分の日のホロスコープ


春分の日のホロスコープ

占星術の上で新年といえば、1月1日ではなく、春分の瞬間である。太陽が12星座のトップである牡羊座0度に到達するのが毎年、春分の瞬間だからだ。その瞬間は世界同時だが、場所によって地平線に昇る星などは変化する。占星術では国ごとの運勢はこの図を重視して判断する。

牡羊座の木星
真の開拓者精神、野心、積極性


幸運を示す木星は2023年前半、牡羊座を通過する。ここに引いたのはパーカー夫妻の牡羊座の木星の鍵言葉(キーワード)。

2023年前半、誰の心の中にも“真の開拓者精神”が目覚めようとするはずだ。大人になった今、大胆なチャレンジをするのは難しいかもしれない。しかし、この星のもと、それではもったいない。

多少高いハードルがあってもそれはあなたの心への燃料。年齢を重ねた今だからこそ「初めて」が貴重なのだ。世間的には激しいスポーツ、格闘技、そして強いリーダーシップをとる人々に注目が当たるだろう。

魚座の土星
心の深いレベルでの、他者とのつながりへの渇望


2023年3月から「恐れ」「制限」を意味する土星は深い共感の魚座へ。この配置をリズ・グリーンはこのように解釈する。

本当は相手と強く、深くつながりたいのに心のどこかでそれを恐れるという葛藤。それをごまかすために過度に相手に尽くしたり、逆に距離をとってしまうというシーソーゲーム。

必要なことはあの人との適切な「距離」かもしれない。時には相手にノーと言うことも、これからの時期は必要だろう。

世相的には看護やケアなどエッセンシャルワーカーへの過度な重圧やスピリチュアルなビジネスの陰の面が注目され、是正されようとする動きが出てくるかもしれない。

牡牛座の天王星
財産や土地の価値の急激なアップ&ダウン


変化、変革の天王星はマネーや大地を象徴する牡牛座に滞在。アラン・レオが言うように、これからの数年は引き続き為替を含め、貨幣価値の大きな変動が予想される。

キャッシュレスへと移行していく一方、デジタル化、暗号化が加速する中で、そもそも「お金」とは何か、という経済観が大きく変わっていくだろう。

5月以降、木星も牡牛座へと入るので、「大地」の価値をもう一度見つめようと環境問題を含めた事項に注目が。オーガニックなものや環境負荷の低いものに熱い視線が注がれることになるはず。

魚座の海王星
大いなるものとの調和、あるいは堕落


魚座を通過する海王星をマーガレット・ホーンはこのように描写している。高い理想を描く人がいる一方、さまざまな誘惑に勝てない人々もいる様子。

世相的にはSDGsなど高い理想が掲げられる横で権力者の汚職なども引き続き報じられることがあるかも。

一方、スー・トンプキンスらが言うように、芸術家や芸術を愛する人には祝福がある配置でもある。毎日を充実させるためには、美しいものと触れることが大きな鍵となるだろう。

占星術教科書


リズ・グリーン著『海王星』
Liz Greene “The Astrological Neptune”
ユング派分析家にして占星術家リズ・グリーン著『海王星』。自他の境界が未分化な状態の至福と混沌を司る海王星の深い解釈は圧巻。

スー・トンプキンスの書
Sue Tompkins “The Contemporary Astrologer's Handbook”
ロンドン占星術スクールの創設者スー・トンプキンスの書。マーガレット・ホーンの20世紀の標準的教科書を現代的にアップデート。

出生図判断の秘訣
Alan Leo “The Key to Your Own Nativity”
近代占星術の父アラン・レオの極めて実際的な占星術教科書。心理学者ユングも所蔵した。『出生図判断の秘訣』として邦訳の予定。

万人のための占星術
Alan Leo “Astrology for All”
アラン・レオによる古典的な占星術の教科書。『万人のための占星術』の名にふさわしく、当時画期的な占星術の指南書となった。

マーガレット・ホーン『現代占星術教科書』
Margaret Hone “The Modern Text-Book of Astrology”
20世紀後半の占星術教科書といえばマーガレット・ホーン『現代占星術教科書』。戦後日本の占星術入門書の多くもこれに倣った。

【参照した占星術教科書】
Alan Leo “Astrology for All”
Alan Leo “The Key to Your Own Nativity”(『出生図判断の鍵』として邦訳出版予定)
Margaret Hone “The Modern Text-Book of Astrology”
Julia and Derek Parker “The Compleat Astrologer”
Liz Greene “Mythic Astrology”
Sue Tompkins “The Contemporary Astrologer's Handbook”
Carole Taylor “Astrology”(邦訳『星の叡智と暮らす 西洋占星術完全バイブル』)






〔鏡リュウジ〕占星術で読み解く2023年


牡羊座(おひつじ座)

牡牛座(おうし座)

双子座(ふたご座)

蟹座(かに座)

獅子座(しし座)

乙女座(おとめ座)

天秤座(てんびん座)

蠍座(さそり座)

射手座(いて座)

山羊座(やぎ座)

水瓶座(みずがめ座)

魚座(うお座)
文/鏡リュウジ、浅島尚美〈説話社〉

『家庭画報』2023年2月号 別冊付録「2023年 開運・招福術」掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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